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[レビュー2012年04月21日に発表された 

未来日記 ~ANOTHER:WORLD~ (全11回)

Future Diary -ANOTHER:WORLD-

原作とは真逆の解釈

あらすじ

無気力な大学生・星野新太は、友人の森口類からクロノス社製の携帯電話を渡される。それは未来を予知できる未来日記だった。《デウス》なる存在に選ばれた7名の所有者たちは、互いに殺し合うサバイバルゲームに強制参加させられる。携帯電話を破壊された敗者は結晶になって消滅する。最後に生き残った勝者には素晴らしい未来が約束されるという。
新太は殺すのも殺されるのもいやがるが、ほかの日記所有者は容赦なく襲ってくる。そんな中、新太につきまとう美女・古崎由乃は、積極的にほかの日記所有者を排除するようけしかける。
《デウス》とは何者か? 由乃はなぜ新太に執着するのか?

ルールが説明され、ゲームが始まる。途中経過はよくあるパターンで、目新しさはない。おもしろくなるのはゲーム終了後。まさか仮想空間とは思わなかった。それなら未来予測も可能だろう。ぐぐっと引き込まれる。
しかし終盤にかけて設定のアラが目立ってくる。実験的な医療補助システムがどうやってサイバーテロを起こすのか? デウスはゲームを通じてなにをしたかったのか? つじつまが合わないことばかり。
また、主人公がヒーローになってしまったのも興ざめ。あきらめの早い男が、「すべての人を救う」なんて言い出すのは突飛すぎる。安っぽい映像演出もあいまって、盛り上がった気持ちは急速にしぼんでしまった。

余談だが、由乃を演じた剛力彩芽さんはかなり違和感があった。やっぱりヤンデレ美少女を生身の人間が演じるのは無理なのだ。しかし後半は、その無理を押しとおすところが物語に合ってきた。聞いた話では、この女優さんは事務所のゴリ押しが激しいとか。つまり「望まれていないのにムリヤリ出てくる」というところが、うまくシンクロしたのかもしれない。

のちに原作漫画とアニメを見て、ギャップに驚いた。漫画およびアニメは、「自分の幸せのためなら、ほかの人を犠牲にしてもよい」という理念が貫かれている。恋人さえ、自分が幸せになるためのパーツでしかない。従来作品にはなかった、近代的な発想だ。対してテレビドラマは、「みんなの幸せのためなら死んでもかまわない」という教科書的なゴールに導かれる。原作の完全否定だ。テレビドラマの制約もわかるが、ここまで作り替えるなら原作の名を冠する意味はあるのだろうか?

テレビドラマだけ見たときの評価は低かったが、原作やアニメと比べることで、おもしろさが増したと思う。テレビドラマはきれい事と大人の事情で成り立っているが、そうとわかれば憤慨するような話じゃない。原作をそのまま動かしたアニメ版より、見応えがあったと思う。

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