レビュー  2012年11月16日  に発表された 

トワイライト・サーガ / ブレイキング・ドーン Part2
The Twilight Saga: Breaking Dawn Part 2

2ツ星

代償のない物語

ベラの吸血鬼ライフは快適そのものだった。感覚は鋭敏で、筋力は強大無比。それでいて外見の美しさはキープ。セックスも飽きるまでつづけられる。吸血衝動もなんなく自制できた。おまけにシールド能力に目覚め、吸血鬼一族の中でも稀少な存在になった。しかし人間としての暮らしは捨てざるを得ないだろう。ベラは覚悟していたが、ジェイコブのはからいで現状維持できた。
素晴らしい。得るものばかりで、失うものがない──。
これじゃ渋ってきたエドワードの立場がない。せめてベラが人間でなくなったことに哀切の意を示してくれればよかったのだが、まぁ、恋に夢中の年若い娘にそんな感慨がわくはずもないか。

これはハッピーエンドなんだろうか? ラブラブな関係が何世紀もつづくとして、それはハッピーか? そうだとしても、もう私たち人間には理解できない。共感もできない。勝手にやってくれ。

シリーズ5作を見てきたが、結末の安直さに愕然とした。1作目でベラを吸血鬼にしちゃえば解決する物語だった。

妄想リメイク

ベラとエドワードは三老師の首を落とすが、それでもヴォルトゥーリ族は退かなかった。
ベラ「どうして? もう戦う意味なんてないのに!」
エド「撤退を許可する者がいないんだ。3000年におよぶ支配で彼らは思考力を奪われている。もう死ぬまで戦うしかない。不死の吸血鬼は、これほど愚かな生き物だったのか」

落胆した瞬間を突かれ、ふたりは致命傷を負う。仲間たちに救われるが、もう助からないだろう。
双方に多大な犠牲を出して戦いは終わった。どちらの勝利とも言えない。

エド「カレン。すまない。きみを、こんな戦いに、巻き込んでしまって」
血を吐きながらエドが詫びるが、ベラは笑顔を見せた。
ベラ「ちがうわ。永遠のいのちが欲しかったわけじゃない。あなたと生きて、あなたと死にたかった。私たちが死んでもレネズミは生きる。ジェイコブなら絶対に守ってくれる。エドワード。あなたに逢えてよかった。あなたに愛されてうれしかった!」
エドは笑顔を浮かべて死んだ。ベラは、エドの髪を撫でながら歌う。歌声は闇に消えていった。

(おわり)


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トワイライト・サーガ / ブレイキング・ドーン Part2