人見知りのジレンマ

2006年 生活 思考実験
人見知りのジレンマ

囚人のジレンマ(Prisoner's Dilemma)とは、ゲーム理論や経済学で引き合いにされる問題。囚人のジレンマそのものは検索できるので、その応用例を紹介しよう。
参考:囚人のジレンマ - Wikipedia

囚人のジレンマ

見知らぬ人が、あなたに拳銃を突きつけている。あなたも相手のひたいに拳銃を突きつけている。先に撃たれれば即死だ(撃ち返せない)。この状況で、相手が提案してきた。

「ど、同時に拳銃を捨てよう! な、そうしよう!」

さて、どうするか?

  1. 自分は拳銃を捨てる。相手も捨てた。 →2人とも助かる
  2. 自分は拳銃を捨てる。相手は捨てない。 →最悪の事態
  3. 自分は拳銃を捨てない。相手は捨てた。 →圧倒的優位に
  4. 自分は拳銃を捨てない。相手も捨てない。 →状況は変わらない

互いを信用して、同時に拳銃を捨てれば、平和的解決ができる。しかし自分だけ拳銃を失うことになれば、最大損失だ。この状況を冷静に(確率論的に)考えていくと、拳銃を捨てない方がオトクになる。

つまり、個々が最適な選択(自衛)をしても、全体として最適な選択(共存)にならないところがジレンマというわけである。

人見知りのジレンマ

ここに2人の人見知りがいる。人見知りなので、信用できる相手にしか素顔をさらせない。相手を信じて裏切られたら、最大ダメージを受けてしまう。それは絶対に避けたい。なので、相手から先に素顔をさらしてほしいのだが、相手も同じように考えているので膠着状態になる。
さて、どうするか?

  1. 自分から素顔をさらす。相手はいいひと。 →ハッピー♪
  2. 自分から素顔をさらす。相手は悪いひと。 →核爆発 死亡
  3. 自分は隠れて、相手が素顔をさらすのを待つ。 →後出しで有利
  4. 自分は隠れて、相手も隠れている。 →永久に知り合わない

この場合も、理性的な選択は顔を隠しておくことになる。そうすれば、よけいなトラブルは回避できるからだ。
……ジレンマよのぉ。