写真をプリントする習慣

2009年 科技 デジタル パソコン 出版 甥っ子
写真をプリントする習慣

実家のおふくろに、パソコンでアルバムを作る方法を聞かれて、困り果てた。

デジカメで撮った写真をきれいに並べて、コメントを書き込んで、装飾して、印刷(製本)したいというのだが、あいにく私もやったことがないから、教えられなかった。

私は写真をプリントしたことがない。写真はデータとして保管して、モニターで閲覧している。プリントして額に入れたり、壁に貼ったり、アルバムにして配布するような習慣はまったくない。

これは私の偏見かもしれないが、カラープリンターは「高い」「粗い」「すぐ劣化する」というイメージがある。最近は改善されているんだろうけど、失った興味は戻らない。もちろん、仕事ではカラープリンターを使うが、ExcelやPowerPointの図形のためで、写真だけをプリントすることはない。だって、モニターで見た方がきれいだから。

「手に取って見たい」という気持ちはわかる。
みんなでまわして見たり、贈ったりもらったりすれば、そりゃ楽しいだろう。しかしプリントした写真は汚れたり、なくしたり、かさばることを考えると、割に合わないと思ってしまう。

実家に帰ると、そこかしこに写真が貼ってある。
今は亡き親父と祖父、まだ幼い甥や姪、そして子どものころの私の写真も並んでいる。生きている家族の写真は増えていき、死んだ家族を囲んでいく。
さまざまな思い出と、そこにいない人への想いが、写真に込められている。

私の家には、1枚の写真も飾っていない。比べると、自分が渇いているように感じる。
いや、私だって思い出は大切にしている。ただ、そのやり方がちがうだけだ。