[ゲーム] LIMBO / 底にはたっぷりと空きがある

2011年 娯楽 ゲーム
[ゲーム] LIMBO / 底にはたっぷりと空きがある

友人AがXbox360を持って遊びに来てくれた。

友人Aのライブラリに限定されるけど、最新ゲームをあれこれ遊ばせてもらう。Xbox360の表現力はすごかった。PS2はもちろん、Wiiも霞んでしまう。グラフィックだけでなく、プログラムの処理能力も向上してる。

そうしたスペック向上によって、ゲームはおもしろくなったか?

答えはイエス。ゲーム内容が同じでも、グラフィックが詳細で、迫力があって、マップが広く、自由自在に動き回れるなら、ぐっとおもしろくなる。「それは本質的な進化じゃない」という反駁もあるが、「見たこともない革新的な作品」ばかり求めても仕方ないだろう。

いろんな発見や驚きがあったけど、中でも「LIMBO」は強烈だった。Xbox360限定のダウンロードコンテンツだから、知ってる人は少ないだろうが、これは傑作。しびれたよ。
「LIMBO」は横スクロール型アクションゲーム。似たような仕組みのゲームはうなるほどあるが、その陰鬱な雰囲気と物理演算がもたらすプレイ感覚は、かつて経験したことがないものだった。

タイトルのLimbo(辺獄)は、「天国と地獄のあいだ」という意味。森の中で目覚めた少年は、妹を探しに出かける。使うボタンは2つだけ。言語表示はいっさいなし。少年の行く手には凶悪な罠や怪物が潜んでおり、少年はその場にあるものを組み合わせて切り抜けていく。

トラップが秀逸で、最初はわけもわからずに殺されたトラップを、リトライで切り抜けると、次のトラップにしてやられる。まるでトラップを仕掛けたものと漫才しているみたい。凶悪なやりかたで何度も殺され、何度もリトライするのに、不思議とストレスがたまらない。

ラストはびっくり。私は絶賛したいが、嫁は「ありえない!」と憤慨していた。しかしあれでないとすれば、どんなラストなら納得するだろう? 嫁は、夢に出てきそうなシーンの連続を忌避しているようだ。実際、私も夢に見たが、それこそおもしろかった証拠であろう。

ここはどこなのか? なぜ少年はねらわれるのか? 生きているのか? そして妹は? 想像に歯止めが効かない。怖いほど魅せられてしまった。
開発元のPlaydeadはデンマークの独立系スタジオだとか。何人くらいで、どうやって作ったんだろう? こんなゲームを組織で作れるんだろうか?

横スクロール型アクションゲームなんて前世紀の遺物だが、最新技術で作るとこれほど鮮烈なおもしろさを放つのか。そこに打ちのめされる。多くのクリエイターが「見たこともない革新的な作品」を模索して、行き詰まっているそうだが、可能性はまだたっぷり残っている。

LIMBO

[プラットフォーム] Xbox 360
[開発元] Playdead
[レーティング] CERO:D (17歳以上対象)
[価格] 1,200 マイクロソフトポイント (≒1,776円)
[発売日] 2010年7月21日(発売中)