オーメン2/ダミアン Damien: Omen II

1978年 外国映画 2ツ星 モンスター:悪魔

悪魔の計画が見えない。

あらすじ

 あれから7年が経ち、ダミアンは13歳になった。ダミアンはロバートの弟で実業家のリチャードの養子として迎えられ、従兄弟のマークといっしょに陸軍学校に入学した。
 ダミアンの周囲で友人・知人が次々に死亡していく。
 ダミアンはひょんなことから、自分が悪魔の子であることを知ってショックを受けるが、すぐ受け入れた。リチャードもダミアンの正体に気づくが、時すでに遅く、みんな死んだ。

 オーメン三部作の2作目。1と3は視聴済みだが、2は見てないか、見ても忘れてしまっていた。2021年に鑑賞。ううーん。このあとダミアンがオッサンになって、悪魔の計画が成就しなかったことを知っているせいもあるが、それを差し引いても魅力に乏しい。1の焼き直しで、少年時代を描く意義を見出だせない。

オーメン2/ダミアン 被害者リスト
人物 コメント
学者Aダミアンの正体を知っており、警告しようとした。発掘現場で生き埋め。
学者B巻き添え。
祖母マークとダミアンを引き離そうとする。カラスで心臓発作。
ガキ大将ダミアンに絡むが、見つめられて発狂。死なず。
赤い女記者ダミアンの危機を訴えようとする。カラスに目を潰され、トラックに轢かれた。とにかく赤が目立つ。若くて美人でもないので、掘り下げるとおもしろそう。
ビル幹部職。ポールのプロジェクトに反対していた。氷が割れて川に落ちて溺死。死体が映されないので、なにがどうなったか戸惑う。
パサリアン博士ポールのプロジェクトに反対していた。有毒ガスを浴びて死亡。
作業員ガス漏れで死亡。
生徒たちガス漏れで入院。ダミアン不在時にやればいいのに。悪魔のやることも杜撰だ。
医者ダミアンの血液に山犬の細胞が混じっていることに気づく。エレベータ事故でワイヤー切断される。
チャールズ美術館会長。短剣と十字架を手に入れ、ダミアンの正体を警告する。機関車に追突された。
マーク従兄弟。ダミアンの秘密を知って拒絶。見つめられ突然死。ここが見せ場になると思ったのに、無念。
リチャード義父。ダミアンの正体を知り、殺そうとする。妻に短剣で刺される。
アン義母。夫を刺してダミアンの名を叫ぶ。洗脳されていたようだが、まったくわからなかった。なにかが爆発して焼死。

 いやー、ぽんぽん死んでいくから、顔と名前を覚えなくて済む。凍った川に落ちるのと、ワイヤー切断は衝撃的だが・・・だれが、どうして殺されたのか、さっぱり頭に入ってこない。

悪魔はなにをしようとしているのか?

 ポールが新社長になり、彼のプロジェクトに反対する人間が排除されていくが、ポール自身に悪意はなく、プロジェクトにも不穏当なところはない。「個人がおのれの欲望のため働いていたら、世界を滅ぼすプロジェクトになってしまった」という展開になると思っていたので、拍子抜け。

悪魔の子に生まれた恍惚と不安

 ダミアンが先生の思考を読み取って回答するシーンはおもしろかった。ネフ軍曹は真相を知ってるようだが、なんの活躍もない。これまた物足りない。

 人を殺しているのは悪魔であって、ダミアンじゃない。ダミアンはだれが死んだかも感知していない。蚊帳の外だ。
 そんなダミアンが頭皮の666を見つけて嘆くが、それっきり。従兄弟マークに拒絶され、怒りで殺してしまうが、それっきり。ダミアンが出自を受け入れるところを描かなくて、なんの少年時代編か。ダミアンが中二病を発症すれば、リアルだったかも。

上流階級の優雅な暮らし

 「1」の外交官もすごいが、「2」の実業家の暮らしもすごい。ホームシアターにプライベートジェット、美術館経営。優雅だなぁ。彼らも無自覚に搾取し、資源を浪費しているわけで、悪魔と言えなくもない。
 ま、そんな深いテーマがある映画ではなかった。


オーメン
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