月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術 Le voyage extraordinaire

2011年 外国映画 5ツ星 ドキュメンタリー 教養

「困難なことはすぐやれ。不可能なことは少し時間を」

いかにして映画は生まれたか? ジョルジュ・メリエス監督のアイデア、努力、栄光、そして挫折。その背景に、現実が空想を追い越す時代があったのは驚き。いや、地球上にそんな時期があったのか。当時の狂熱はいかばかりか。
1コマずつ手作業で彩色したカラー版があったとは。

倒産したとき、メリエス自身の手で500本のネガが燃やされてしまう。ものの価値はわからないものだ。しかし好事家の手によって『月世界旅行』のカラーフィルムが発見され、復元されていく。
「自分でも正気とは思えない」
一枚ずつ剥がして、写真を撮る。13795枚。保存はしたが、復元は無理と判断。技術革新を待ったのはすごい。

あとを継いだ職人は魔法使いだった。彼らのモットーにしびれた。復元ではなく再構築。味わいを残して。たまらない。

うまく言えないけど、人間は素晴らしいと思った。

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