オデッセイ The Martian

2015年 外国映画 3ツ星 SF 宇宙開発

そうじゃない

 火星にひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバル。基地の床を畑にして、水を合成し、ジャガイモを植える。運用を終えた探査機を修理して、地球との意思疎通を確立。将来の脱出にそなえる・・・。少しずつ安全が確保され、できることが増えていく。おもしろい。

 しかし視点がNASAに移り、回収ミッションがクロースアップされると興奮はしぼんでしまう。『アポロ13』(1995)のように、飛行士と管制官の信頼を描く話も好きだけど・・・。本作は個人のサバイバルと思っていたから、受動的に見えてしまう。

 そして中国資本の介入で一気に萎えた。アメリカが失敗した宇宙船打ち上げを、中国企業が助けるなんて、本筋に関係ない。監督もわかっているから、中国ロケットから物資を受け取るシーンもない。ほんとに無意味。それでも中国を出さざるを得なかったのか? 2015年のハリウッドは、チャイナマネーに媚びたのか。SF映画の興奮は失われ、現実に引き戻されてしまった。

 そもそも個人のサバイバルも掘り下げが浅い。ジャガイモだけで栄養バランスは大丈夫か? ストレスは我慢できてしまうのか? どのような設備があって、どんな物資が消費されていくのか? 地球からどんなアイデアをもらったのか? 食べ物さえあればOKって、どうなのよ。

 個人的に期待していたラストは、こんな感じ。原題「The Martian」から、地球に帰るか、火星に残るかの選択はあると信じていた。

 終わってみれば、なんも残らない。「チャイナマネーの介入さえなければ傑作だった」とは思わないものの、もっとも印象に残ったことがチャイナマネーの脅威だった。あーあ。

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