セブン・シスターズ What Happened to Monday / Seven Sisters

2017年 外国映画 4ツ星 SF 管理社会

おもしろいけど、チト重い。

 「遺伝子組み換え作物の影響による多生児の増加」という設定がおもしろい。これなら七つ子も双子も納得。リストバンドによる支払い、入退室管理。手のひらキーボード、情報をくれる鏡、重火器の指紋認証など、未来センスも悪くない。もちろん無茶な設定、展開もあるが、シミュレーションじゃないからヨシ。
 指を切り落とした過去が、月曜の重荷になり、木曜の呵責となり、金曜の窮地を救うと、うまく噛み合っている。

 描かれてないが、おそらくこういうことだろう。

プロット
  • 保全生物学者ニコレット・ケイマンの理論に基づいて、人口抑制政策がはじまった。
  • 30年で一定の成果をあげたケイマンは、その自負心からか、あるいは断罪を恐れてか、政界進出を目論む。
  • ケイマンは資金を得るため、カレン・セットマンに接触。身辺調査で七つ子と判明し、脅迫する。
  • そのころ月曜はエイドリアンと交際し、双子を妊娠していた。もはや7人の暮らしを継続することはできず、ケイマンとの取引に応じる。
  • 同僚ジェリーが不審な契約に気づき、カレンを脅迫しようと考える。
  • 「成長した七つ子」の存在は明るみに出せないため、ケイマンは一人ずつ秘密裏に処分するよう指示する。
  • 月曜はケイマンに身柄を拘束され、身分保障と引き換えに契約の署名を迫られる。

月曜:長女。リーダー。最初にいなくなる。
火曜:目玉を取られる。
水曜:筋肉。ビルの谷間を飛び越えたが...
木曜:ショート。いうことを聞かない。指を怪我した。
金曜:オタク。電子機器に精通している。
土曜:派手な処女。
日曜:地味。突入部隊に撃たれる。

 おもしろかったけど、すべての罪悪をケイマンに押し付けるのは安直。ケイマンにはケイマンの信念や危機感があったはず。また姉妹を殺してしまったら、月曜を支配できない。双子の出産を認める取引をしたのだろうか? とすれば月曜が姉妹より子どもを選ぶシーンがほしい。

 「もう安心だわ」というラストも、いささか使い古されている。これから戦争か飢饉になるだろうけど、姉妹に選択肢はなかった。最後にこれはチト重い。

 テンポがいい反面、七姉妹の掘り下げは物足りない。土曜が月曜が愛した男に抱かれる決意とか、月曜が窒息プレイを求めた気持ちとか、金曜は外で生きていけないと感じた事件とか、姉妹の中で裏切り者さがしとか、火曜や木曜に欲情するエイドリアンとか、いろいろ見てみたかった。アニメなら美少女で、さぞや個性的に描かれただろう。

 私はGayoで視聴したが、(R15+)指定だった。同時期の『新感染 ファイナル・エクスプレス』は全年齢なのに? 指を切ったせいと思っていたが、セックスシーンもあったか。

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