啓蒙ビデオ - ハケンの品格を見ながら

2007年 政治・経済 テレビを消そう 政治
啓蒙ビデオ - ハケンの品格を見ながら

うちの嫁が『ハケンの品格』なるドラマを見ていた。

有能だが態度の悪い派遣社員が、嫉妬や羨望の目にさらされながらも立派に生きていくという内容だった。私は第2話しか見てないが、おおよその制作コンセプトはつかめた。
つまるところこれは、派遣社員を増やすための啓蒙ビデオだ

(このドラマは政府から出資を受けているのかな?)
考えてみると、これは効果的な手法かもしれない。
このドラマを視聴した人の多くは、派遣社員を擁護するだろう。雇用形態で差別されるのはおかしい。ちゃんと認めてあげるべきだ。「そこの派遣さん」とか「派遣ごとき」といった発言をする人は、時代遅れの差別野郎と非難されるだろう。
なんだか、本質的な問題から目をそらしているような気がする。

私は派遣社員だった時代もあるし、派遣社員を雇ってもいる。
重要なのは個人であって、雇用形態じゃない。
正社員なら会社のことを考えてくれるわけでもないし、それが正しいわけでもない。個人は、個人の幸せのために会社を利用すればいい。会社や雇用形態に忠義を尽くす人より、状況に応じて都合がいい方を選ぶ人の方が信用できる。

「ずっと派遣で居続けることが私のプライドです」
と答える主人公の思惑は不明だが、なんとも異質な感じがした。

このドラマが終わったら、『正社員の品格』をやってほしいね。