あるある大辞典2のねつ造事件 / テレビの価値は?

2007年 社会 スーパーにて テレビを消そう
あるある大辞典2のねつ造事件 / テレビの価値は?

テレビが意図的に視聴者を騙した。

『あるある大辞典2』が放送した納豆ダイエット効果はねつ造だった。毎日納豆を2パック食べるだけで痩せられる! そんなミラクルパワーを信じた人たちはスーパーに押し寄せ、買い漁ったらしい。私はその番組を見ていないのだが、言われてみれば盛況だったかもしれない。

今日、スーパーの納豆コーナーをのぞいてみたら、閑散としていた。こんな日に納豆を買うのは、ニュースを知らない人か、本来の納豆好きか、どちらかだろう。

事件の反響は大きく、そこかしこで議論がわき起こっている。まず大きいのが、番組を制作・放送した側(テレビ)の責任を問う声。次いで大きいのは、まんまと騙された側(視聴者)の責任を問う声だ。

どっちが悪いって、そりゃテレビが悪いに決まってる。視聴者のメディアリテラシーが強く求められる時代ではあるが、「詐欺師に騙される方が悪い」「後ろから殴られるスキを見せたおまえが悪い」では社会が立ちゆかない。

「テレビの情報を鵜呑みにせず、自分なりに考えてみる必要がある」という意見もあるが、実際には難しい。
テレビの内容を自分で実験・検証する余力はないからだ。それっぽいデータが表示され、偉そうな人がコメントしてるのに信じないという方がおかしい。
そんなに疑う人は、そもそもテレビを見ないだろう。

メディアに対して私たちは無力、無防備だ。気をつけてどうにかなる問題じゃない。自己防衛できると思っている人の方が、よっぽど危険だ。

──では、どうしたらいいのか?
誰かがコメントしていた。

「ぼーっと眺めて、へぇーと頷いて、
 10分後には忘れてしまえばいい

そんな阿呆な。
だとしたらテレビは、なんのためにあるのだろう?