深夜の寝ぼけ

2011年 生活 生活
深夜の寝ぼけ

 最近、やたらと眠りが深い。

 ふいに目を覚ますと、自分がどこにいるかわからなかったり、ちがう場所にいると誤解することがある。実家と自宅を行き来したせいかもしれない。

(んっ? ここはどこだ?)
 目が覚めて、自分の居場所がすぐ思い出せない。夢とごっちゃになって、困惑する。自分の手足、布団の質感、かすかに見える光から、(あぁ、実家に来てるんだっけ)とか、(あぁ、自宅に戻ったんだっけ)と思い出す。これはまだいい。

(あれれ? ドアがない)
 夜中に目が覚めて、トイレに行こうとするが、あるはずのドアがない。実家と自宅の間取りをまちがえているのだが、寝ぼけている本人は気づかない。むりやり押し入れに割り込もうとして、バランスを崩す。寝ている嫁が「むぎゃー!」とうめく。嫁よ、なぜこんなところで寝てるのだ?

 深夜に灯りを付けるのは、寝ている嫁に申し訳ないと思っていたが、それ以上に申し訳ないことをしてしまった。それも毎晩のように、踏んだり、のしかかったり……。
「もう、灯りを付けたまま寝ましょう」
 と嫁は言い出すが、それきり寝ぼけることはなくなった。

 だが、またいつか寝ぼけるかもしれない。
 そのときのため、先に謝っておく。

 ごめんなさい。