「やらせ」を受け入れる寛容さ / 食べログ・やらせ投稿問題

2012年 社会 Webサービス
「やらせ」を受け入れる寛容さ / 食べログ・やらせ投稿問題

食べログのランキングを不正操作する業者がいたことが問題になっている。

「食べログ」でやらせ業者が順位を不正操作

飲食店の人気ランキングを掲載する大手インターネットサイト「食べログ」で、「やらせ業者」による不正なランキング操作があったことがわかった。
不正にランキングが操作されていたのは、一般利用者による口コミなどを基に、5点満点で点数をつけて飲食店のランキングを決める人気サイト「食べログ」。運営する価格比較サイト大手「カカクコム」によると、掲載している飲食店から金銭をもらい、好意的な口コミを代行で投稿することにより、不正にランキングを上げる「やらせ業者」を39社特定したという。
カカクコムは「停止の要請に応じない場合は、法的措置も視野に厳正に対応する」とコメントしている。
「食べログ」は05年にサービスを開始して以来、人気を集め、先月の月間利用者は3200万人以上に上ったという。
日テレNEWS24 - 01月05日 16:00

なんだか大騒ぎになってるけど、食べログにかぎらず、あらゆるレビューに「やらせ」が介在するのは常識だろう。金銭の授受がなくとも、レビューは主観的なものだから、正確なランキングなどありえない。

「やらせ」を肯定するわけじゃない。なければないに越したことはないが、「やらせ」を駆逐する方法がないのだから仕方ない。
明らかなウソや誇張なら排除できる。だけど、「すっごく気に入りました♪」とか「とってもいいお店☆」みたいなレビューの真偽を、どう見抜けばいい? ウソをつかずに印象を高めるテクニックなど、いくらもある。

カカクコムが被害者っぽく報道されているのも微妙。食べログとしては、うろんな業者ではなく、食べログに宣伝費を払ってもらいたいのだろう。
食べログには「注目ランキング」という基準があるけど、あれって、どういう指標なの? ヘルプに説明がないのはなぜ? 店舗へのクチコミ採点方法も非公開なのも変じゃない。5段階評価と見せかけて、1点(星1つ)を選べないのもずるい。根源的に言えば、みんなに見せることを前提に投稿するレビューは、「クチコミ」と言えるのか?

で、カカクコムはこの問題を法律と行政にゆだねてしまった。法律や行政に「やらせ」を駆逐できないことは、九州電力のやらせメール問題で明らか。おまけに山岡消費者相はマルチ商法の推進派じゃん。もう、茶番としか言いようがない。

ウソをウソと見抜くのは難しい。
騙された方より騙す方が悪いに決まっている。
それでも消費者は、注意深く情報を吟味しなければならない。