[報道・教養] クローズアップ現代「オリンピックはこうして決まった」 / 避けられないロビー活動の現実
2013年 政治・経済 NHK スポーツ 報道・教養 政治クローズアップ現代「オリンピックはこうして決まった」を見た。
2020年の東京オリンピック開催が決まって、泣いて喜ぶ人たちの映像がお茶の間をにぎわせているが、招致を実現した舞台裏は権謀術数めぐらすロビー活動に支配されていた。
オリンピックの開催地選びは明確な基準がなく、103人のIOC委員の無記名投票によって決定される。IOC委員は、担当者からの接待や便宜供与によって投票先を決める。それもかなり不実で、今日は支持を明言していても、明日は態度を翻すことも珍しくない。投票ぎりぎりまで、より多くサービスしてくれた都市を選ぶ。えげつない世界だった。
日本人はロビー活動が苦手と言われるが、2016年招致に失敗した経験から、今回は本腰入れたロビー活動を展開したそうだ。もちろん、日本の素晴らしさもアピールしてくれただろうけど、利益供与の約束がなかったとは思えない。ロビー活動の結果、本来やるべきことがやれず、やるべきでないことをやるような約束が交わされたら、たとえオリンピック開催の経済効果で収支が合うとしてもイヤだ。日本人の感性としては、本当にやめてほしい。
開催地選びに基準がもうけられ、テストのように審査できれば、多くの無駄が省かれるだろう。しかしIOC委員が既得権を手放すはずがない。改善の見込みはまったくない。ならばロビー活動をしなければ不利になるだけ。やるしかない。
スポーツに政治を持ち込むのは無粋とされるが、その舞台裏はバリバリ政治の世界だった。オリンピックにかぎらず、サッカーもそうなんだろうな。韓国もロビー活動によって、反日を輸出している。ロビー活動にはロビー活動で対向するしかない。ロビー活動が既得権者を太らせるだけだとしても、やらなければ不利になるだけ。やるしかない。
悲しいけど、これ戦争なのよね。
学校で教えるべきでは?
ふと思ったけど、「ロビー活動の現実」は学校教育で教えてくれないかな。生徒は(裁量が介在しない)ペーパーテスト主体の学校から、(裁量に左右される)ロビー活動主体の社会に放り出されるから、そのギャップで心が折れてしまう。
学校はテストで成績を決めるけど、社会はちがう。
そう教えておけば、多くの悲劇を避けられるような気がする。