地獄少女を知りながら、糸を引かなかった者が幸福になる
はじめて山童が登場したときは、第2期で生き残った拓真くんが妖怪変化したのかと思ったよ。地獄少女が還ってきた理由などが気になるが、とにかく地獄流しが再開する。今回は学校とその周辺に舞台を限定し、ゆずきという少女を毎回からめてくる。これまでより親しみやすく、また念入りに仕組まれた構成だ。
各エピソードはきわめて暗い。いつ、だれが、だれを流すのか? 毎度救われない結末に、胸が押しつぶされる。「恨み」という感情は、とにかく非生産的なものだと思い知らされる。
- 第4話『兄貴』 ... 自分だけ変わっても意味がないという結論は悲しすぎる。
- 第9話『はぐれ稲荷』 ... 恐怖を感じるほどの知性もない。
- 第12話『真夏のグラフ』 ... 実写の紙流しが面白かった。
- 第15話『兎と亀』 ... 自分と同様、相手にも心と、狂気がある。
- 第16話『誘惑の罠』 ... 地獄流しをした者にも幸福を。
- 第20話『華と月』 ... 果たして、どちらが生き残ったのか。
恐怖が蔓延し、第2期のような展開になるのかと思いきや、終盤で意外な事実が明かされる。うわぁ、そうだったのですかぁ。そりゃないよ~。その事実をふまえて主題歌『月華』を聞き返すと、意味がちがってくる。見事です。
地獄少女は、じつに奥深い人間ドラマに昇華した。第1期から見てきてよかった。多くの人に見てもらいたい傑作シリーズである。


