オトナの対応
2008年 政治・経済 仕事世の中、くだらないことが多い。
先日、私が遭遇したのもその1つ。じつに、くだらないイベントだった。参加したくなかったが、避けきれなかったのだ。うんざりして帰るところに、アンケートを求められた。
次回も参加を希望しますか? はい/いいえ
はっきり言って答えはノーだ。考えうる最大の強さでノーだ。この会場に、望んで参加したヤツなどいるものか。みんな断れないから、仕方なく、しぶしぶ来ているのに、なぜそれがわからない? いや、わからないからこそ、こんな悪趣味なイベントを開催できるのだ。阿呆な主催者め。
そういや、イベントの最中も言っていた。「皆さまの率直なご意見をいただくことで、イベントの質を高められる」とかナントカ。だったら気づけよ、この空気に。わからないなら私が教えてやる。このイベントがどれほど無意味で、人を不快にさせるかを。
しかし私は、なにも書かなかった。書いてもどうせ無視される。主催者は、絶賛以外の感想を求めていない。批判的なことを書けば、のちのち問い合わせが来るかもしれない。それに、どんな意見を述べようと、イベントの本質は絶対に変わらない。ならば、あえて目立つこともない。私は「オトナの対応」をすることにした。
イベントが終わって、参加者は駅に向かうバスに乗る。バスは、イベントの参加者でいっぱいになった。みんなオトナなので、イベントについて語らない。ここで語るのは危険だからだ。私も黙って、思索にふけった。
(みんな、オトナの対応でアンケートに答えたのだろうか?)
だとすれば、アンケートは絶賛で埋め尽くされているはずだ。みんなイベント内容を理解して、納得して、満足したことになる。主催者はさぞ喜ぶことだろう。そしてまたイベントを開催するのだ。善意によって……。
これが、付き合いというものか。
次回は「やむを得ぬ事情」で不参加だな。