[レビュー1948年08月28日に発表された 

ロープ Rope

主人公は犯罪者 密室
更新日:2012年03月02日(金) 18:07 [Edit]

ヒッチコックはおもしろい

全編をワンシーンでつなげ、劇中と現実の時間を感染にシンクロさせた異色作。回想シーンが挿入されるべきところも、カメラアングルだけで再現する。お見事。あたかも透明人間になってアパートの一室をずっと見ているような錯覚に陥る。ほかの映画では得られない不思議な体験だ。おもしろい。

本作は、1924年に実際にあった「レオポルドとローブ事件」を下敷きにしているそうだ。裕福な若者による、さしたる理由のない殺人は、当時はショッキングだったようだが、21世紀の現在では驚くに当たらない。しかし冷静に考えると、平然と行われた凶行には戦慄する。フィリップとブラントンのような若者は珍しくない。自分が参加したパーティで同様のことが起こっていないと断言できるだろうか? 全編ワンシーン&リアルタイム進行がもたらす臨場感が、映画のフィクション性を吹き飛ばしている。

当時の技術では難しいところもあっただろうが、ほんと、見事と言うほかない。ヒッチコックにあらためて敬意を払いたい。

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