ミクロの決死圏 Fantastic Voyage

1966年 外国映画 4ツ星 SF スパイ ファンタジー 冒険 潜水艦 病院

これぞロマン!

はじめて見たのは1979年のテレビ放送で、8歳だったはず。大筋や結末は覚えていたが、細部を忘れてしまったため2021年に再視聴した。いやー、おもしろかった。科学的なツッコミどころ満載だが、とにかくロマンがあって、ワクワクした。

上映から55年。21世紀に見ると、60年代の情景がすでに異世界。コンピュータがカシャカシャ作動音を鳴らし、電卓がないから計算尺を使うのは驚き。むかし見たときはわからなかった驚きだ。

映画の見せ場となる人体宇宙はまるっきりファンタジーだが、そこに至るまでの積み重ねが細かい。車ごと下降するエレベーター。基地内をカートが行き来する。患者を取り囲む小さなレーダー。巨大な人体図を使って現状確認。潜水艦を1インチに縮小後、ドラム缶のような注射器に浮かべ、注射器ごと縮小する。たまらない。

「潜水艦は2度縮小されたから、二段階で時間切れになるはず」とか「注射器の水分が大きくなったら大変だ」とか、いろいろ考えたけど無意味だった。潜水艦と原子炉が白血球に食われて無害化するとは思わなかった。さらに患者の生死、手術の成否も明かされない。機密情報なんてどうでもいいのだ。冒険ですよ、冒険! おもしろかった。


シュリンカー
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