[Edit]
[レビュー1982年01月23日に発表された 

セロ弾きのゴーシュ

Gauche the Cellist (movie)

フカカイな魅力

流れをスムースにするため、いくつかのセリフが追加されているものの、原作をきわめて忠実。「ねむられないんです。」とか、猫を無視してかっこうだけに詫びるなど、不自然なところも残してある。演奏が加わったので、どんな曲を聴いていたのかわかったのはうれしい。絵が動くことより、耳に聞こえることが大きいね。

宮沢賢治の文学には、意外性がある。「いい話だなー」と思いたいのに、いちいち水を差される感じ。動物たちがセロの弾き方を教えてくれるわけじゃない。動物たちとふれあうことが、学長の指摘した問題点とどう関連するのかも明らかではない。成長したように見えるゴーシュだが、アンコールでは卑屈な態度を取る。
なぜ、きれいにつながらないのか? わからないから印象に残る。だから宮沢賢治の文学は高く評価されているのかもしれない。

Share

Next