レビュー  2004年11月15日  に発表された 

キューブ ゼロ
CUBE ZERO

2ツ星

キューブが処刑装置であるわけがない

あらすじ

エリックはキューブの監視員。今日もキューブで人々が怯え、惨殺されていく様子をモニタリングしていた。キューブの被験者はみな死刑囚で、恩赦を求めて挑戦していると理解していた。
新たな被験者が運ばれてきた。エリックは装置を使って、彼らの記憶を消していく。記憶をリセットすることで、公平な執行になるそうだ。被験者の行動記録は「上の階」に報告されるが、それがなんに使われるのか、エリックは知らなかった。
エリックは美しい被験者レインズに興味をもつ。市民活動家のようだが、彼女の同意書が見つからない。なんらかの手違いでキューブに放り込まれた無辜の市民かもしれない。エリックは「上の階」に報告しようとするが、ドッドに止められる。ドッドはなにかに怯えていた。
そう言えば同僚オーウェンの姿が見えない。外に出たいと言っていたオーウェンはどこへ行った? それに自分はいつからここで働いている?

キューブの舞台裏に焦点を当てたのはおもしろい。しかしストーリーや設定は不合理な点が目立つ。2よりマシだが、1には遠く及ばない。

キューブは政府に不都合な人間を処刑する装置のようだが、それなら1ブロックで足りる。監視員を配置する必要もない。小説『1984』の101号室が大掛かりなのは、思想犯罪者の心を折るためだった。キューブにはそれに類する目的がない。

演出もすべってる。中間管理職ジャックスは派手すぎて、政府が非道な粛正をする社会にそぐわない。キューブの怖さを知るエリックが、なんの策もなく飛び込むのは理解しがたい。ドッドの心変わりもいささか唐突だ。キューブ内では、レインズの罵倒がひどい。気持ちはわかるが、この映画でそれは必要ないだろう。

なので、後半を自分なりに考えてみた。

妄想リメイク

ドッドは告白する。
「キューブは政府にとって不都合な人間を処刑する装置なんだ。たとえ出口の部屋に到達できても、監視員が処分する。監視員が1人で部屋に入って、ボタンを押すだけ。おれもやったことがある。おそらくオーウェンはボタンを押さなかったのだろう。部屋から出てこなかった」
「事実を知りながら、黙っていたのか?」
「おれは死にたくない」
「それはみな同じだ!」

エリックは我慢できず、キューブの中に飛び込んだ。トラップをくぐり抜け、レインズたちに合流する。生き残りたちはエリックを非難するが、レインズが取りなす。
エリックの状況説明、メイヤホールドは疑問を呈する。
「ただ殺すためなら、こんな仕掛けはいらない。脱出に必要な記憶や能力、道具を残す理由もない。キューブには設計理念がある。全員が助け合えば、脱出できるはずだ」
しかし彼の意見は注目されなかった。

ドッドは「上の階」に報告してしまう。すると上級技術者2名と管理者がやってきた。管理者は高圧的な人物で、上級技術者にエリックを含む被験者全員の処分を命じる。上級技術者2名はためらいがちに操作し、エリックたちを追い詰めていく。
元兵士のハスケルは、脳に埋め込まれたチップによって凶暴化した。絶体絶命のピンチを救ったのは、ハスケルが切り捨てたメイヤホールドだった。出口の部屋に到達したエリックとレインズは拘束され、処分を待つことになった。管理者にうながされ、部屋に入るドッド。
そして、エリックとレインズは光に包まれた。

後日。また新たな被験者がキューブに運ばれてきた。監視員レインズは黙々と仕事をしている。そこへ上級技術者エリックとドッドが下りてきた。全員、記憶を消されていた。管理人が帽子を取ると、額にチップを埋め込まれたあとがあった。
被験者だけでなく、監視員も、上級技術者もキューブに囚われていた。
「全員が助け合えば、脱出できるはずだ」
メイヤホールドの言葉が響く。

(おわり)

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