禁煙365日
2005年 生活 タバコ 健康今日で、禁煙して365日になる。
なので、この1年をふり返ってみることにする。
◎
──1年前の今日。
私は体調を崩していた。
37℃を越える熱、ヘンな咳、だるさ、止まらない鼻水、胃腸はぐるぐる。
原因不明。いわゆる「風邪をこじらせた」という状態だ。
私は会社を休み、布団の中でうなっていた。
──2日後。
そう言えば、たばこを吸ってない。
(早く、たばこを吸えるくらい元気になりたい)と思う。
──3日後。
熱が下がりはじめた。まだ味覚がおかしいので、たばこを吸えない。
胸焼けしてるから、吸いたくもない。
(3日もたばこを吸わないなんて、何年ぶりだろう?)
15年間、毎日欠かさず吸ってきた。かかった費用を計算すると、べらぼうな額になる。だのになぜ吸うのか? そりゃ、たばこが好きだから。好きでなければ、無理して吸う理由はない……。
(ん? 今がまさにそうだ。
体調不良のためとはいえ、たばこが欲しくない。
健康なときに禁煙しても、最初の3日がつらくて挫折してしまう。
しかし今なら、その関門を突破してるじゃないか!)
こうして私は禁煙を決意した。
いや、禁煙していたことに気づいたのである。
──4日後。
元気になると、たばこを吸いたくなった。が、以前ほどの渇望はない。
思い返すと、病み上がりの1本目は、欲しいからではなく、吸えるようになったことを確認するために火を点けていたように思う。
心の底から欲しいと思うまで、吸わないことにしよう。
──7日後。
『禁煙セラピー』という本を読む。
友人に「読めば禁煙できる」と勧められて買ったのだが、半年もほったらかしにしていた。ちなみに、勧めてくれた友人は現在もスモーカーだ。
読んでみると、思った以上にイイ内容だった。
私は、ライターと灰皿、買い置きたばこを全部、棄てた。
──3週間後。
ときおり、吸いたくなる衝動はあったけど、無効化できた。
つまり、欲しいと思わないように心をコントロールするわけだ。意志力や我慢強さは関係ない。心の向きをちょっと変えてやればいい。
たとえるなら、心の中にモンスターが1匹いるようなもんだ。
そいつが立ち上がると、もう勝てない。組み伏せられてしまう。だから、モンスターが立ち上がりそうになったら、足を引っかけて転ばせるのだ。モンスターも、転んでいるうちは無力なのだ。
──半年後。
202日目の様子は、過去の日記に書かれている。
──最近。
たばこの臭いに気づくようになった。
正確には、たばこが不快になった。たばこを吸ってきた人は、すぐわかる。3mくらい離れていても、ばっちり臭う。ハッキリいってクサい。
(なんで我慢できないのか? なんで気づかないのか?)
眉をしかめる私。1年前のことなど棚の上だ。
非喫煙者(たばこを吸わない人)より、禁煙者(たばこを止めた人)の方が、喫煙者(たばこを吸っている人)に厳しく接すると言われるが、これは本当だね。