秋刀魚のコンフィは不発

2010年 食べる 食べる
秋刀魚のコンフィは不発

秋刀魚のコンフィを作ってみたが、いまひとつだった。

秋刀魚のコンフィは、K氏に誘われて昨年、神田のトラットリア Jugemuで食べた。うまかった。秋刀魚にこんな調理法があるとは思わなかった。で、家でも作ってみたわけである。

コンフィ(confit)はフランス料理の調理法。「肉や魚を油で煮込んだもの」と知られるが、「果実を砂糖に漬け込んだもの」も含まれる。缶詰のシーチキンはマグロのコンフィである。長期保存が主たる目的だが、風味がよくなるため、ふだんの食事として作られることも多くなった。

作り方は簡単。食材を油脂につけて、低温でじっくり煮込むだけ。しかし家庭的な料理なので、細かいところはあいまいだ。オイルは精製されたものならなんでもいい。下ごしらえ、匂い消しのハーブも好みによる。煮込む温度や時間などは、食材の量で調整するものらしい。
とりあえず今回のレシピ。

作り方

  • 秋刀魚の頭を落として、塩胡椒で焼く。
  • 鍋にオリーブオイルとニンニク数片、ローリエ1枚、鷹の爪3本を入れて加熱。
  • 油が70℃になったら、焼いた秋刀魚を漬けて、60~70℃で20分ほど加熱(維持)。
  • 火を止めて放置。さめたらレクタングルに移して一晩ねかす。
  • 保存期間は2週間ほど。
  • 食べる前にレンジで温める。

Jugemuで食べた秋刀魚のコンフィは頭から丸ごと食べられた。しかし丸ごと使うレシピは少なく、自信もなかったから、今回は切り落とした。また一本まるごと煮込める鍋も保存容器もなかったので、2つに折っている。
2日後、冷蔵庫から取り出す。見た目や匂いに問題はないが、あまり食欲がわくビジュアルではない。調理から時間が経っていることも、「ひょっとしたら」という疑念を抱かせる。食の先入観を吹き飛ばすのは難しい。実際の味が悪いわけじゃないのだが、期待したほど興奮しなかった。
油は何回か使えそうだが、魚を煮込んだものを使いまわすのは抵抗があった。1回のコンフィで捨ててしまうのは、コスト的によろしくない。ううーん。

料理は勢いが大事だ。ちまちま作った料理は、ちんまい喜びしかない。大量の秋刀魚をどがっと煮込んで、がははと喰えば幸せになれただろう。たぶん。

何度か作り直す前に、あの店に嫁を連れて行こう。料理は勢いは大事だから、感動を補充しなければならない。