言いがかりで違反切符を切られた

2012年 社会 犯罪
言いがかりで違反切符を切られた

 ぼんやり桜を見ながら運転していたら、白バイが近づいてきた。

 車を停めろと合図する。なんだろうと思ったら、取り締まりだった。だれが? 私?

「いま、一時停止しなかったよね?」
「え? そうですか?」
「急いでいたよね?」
「いえ、ぜんぜん」
「スピードも出てたよね?」
「そうですか? そんなつもりはないですが」
「まわり見てなかったよね」
「いえ、まわりを見ながら運転しました」

 千葉北の田舎道である。車も人も、信号もない。その場に車を停めても、だれの迷惑にもならないようなところだ。
 私は稲毛に向かって走っていたが、高速道路の降り口をまちがえて、20キロほど遠回りしていた。見知らぬ土地で、どっちが大通りだろうと、きょろきょろしながら走っていた。カーナビを使わなかったのは、急いでなかったから。本当にぼんやり走っていたので、直前の記憶がない。

 白バイは見えていた。だけど、警戒するような状況じゃなかった。そもそも白バイが見えているのに、意識的に交通違反するわけがない。ふつうに角を曲がっただけだ。それなのに。

「違反金、7,000円ね」
「......はぁ」

 なんの証拠もない。違反した自覚もない。ただ警官が「見た」と言うだけで、7,000円も盗られるのか。これで平成25年の免許更新は、片道1時間半もかかる鴻巣へ行くことになった。あそこは遠いんだよなぁ。ゴールド免許は夢と消えた。くそぅ。
 とはいえ、警官に逆らっても仕方ない。出るところに出れば、泣き寝入りせずに済むだろうが、争う気力もない。私は言われるまま名前を書いて、拇印を押した。

 ほどなく運転再開。そのまま郵便局に突っ込んで、違反金を支払った。
 振り込みの待ち時間で、さらに憤りがこみ上げてくる。

 はぁー。どうしてこんなことに。

 7,000円あれば、うまいメシが喰えたのに。電車より車の方が安いと思って運転してきたけど、見込みちがいだった。車の運転は高くつく。本当の、本当に。

 くそー。