REC/レック [Rec]

2007年 外国映画 5ツ星 モキュメンタリー モンスター:ゾンビ 密室

アイデアもすごいが、演出も見事!

あらすじ

アンヘラはローカルTV局のリポーター。カメラマンと消防局の密着取材をしていた。ある夜、通報を受け駆けつけたアパートで、凶暴化した老婆に遭遇する。隊員が負傷し、病院へ行こうとするが、アパートは防疫センターによって隔離されてしまった。
老婆は未知の感染症にかかっており、唾液で感染するらしい。パニックになる住民たち。秩序を保とうとする警官、消防士。アンヘラは真実を伝えるため、カメラをまわしつづける。

本作はハンディカメラで撮影した映像をそのまま映画にするPOVスタイル。POVスタイルは臨場感が高まる反面、単調になったり、状況がわかりにくくなるが、本作はさまざまな工夫を凝らしている。
カットされる会話、失言、突進するリポーターをカメラマンが追う、カメラだけ放置する、カメラマンだけ先に見る、暗視モードへの切り替え、などなど。アングルが秀逸で、なにが脅威で、だれが困っていて、どっちに向かっているか、明瞭。スクリーンショットを撮りたくなるほど。カメラの視界から外れた人の動きが想像できるほど、計算されている。
「POV×ゾンビ」のアイデアだけじゃ、この完成度に達しない。素晴らしい。

主人公アンヘラは知る権利を振りかざすうるさいキャラだけど、命より報道が大事と言うほど馬鹿じゃない。がんがん突っ込んで正論を振りかざしたかと思えば、ピンチになれば死にものぐるいで逃げる。感情移入しやすい。
カメラマンは、そんな彼女に引っ張られていく。つまりアンヘラが観客の視界を引っ張っていく。おもしろい。

アパートは封鎖されたけど、感染者の数は多くない。冷静に対処すれば切り抜けられただろうか? 情報途絶下で理知的な行動は難しい。「もし自分だったら」と考えられることは、良作のホラー映画の証し。

めちゃくちゃ怖かった。そして、おもしろかった。

REC
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