アイデアもすごいが、演出も見事!

あらすじ

アンヘラはローカルTV局のリポーター。カメラマンと消防局の密着取材をしていた。ある夜、通報を受け駆けつけたアパートで、凶暴化した老婆に遭遇する。隊員が負傷し、病院へ行こうとするが、アパートは防疫センターによって隔離されてしまう。老婆は未知の感染症にかかっており、噛みつかれることで感染するらしい。パニックになる住民たち。秩序を保とうとする警官、消防士。アンヘラは真実を伝えるため、カメラをまわしつづける。

本作はハンディカメラで撮影した映像をそのまま映画にしている。このPOVスタイルは臨場感が高まる反面、単調になったり、状況がわかりにくくなる。ところが本作は、さまざまなアイデアで弱点を克服している。突進するリポーターをカメラマンが追いかける。カメラだけ覗き込ませたり、放置したり、暗視モードに切り替えたり。とにかくアングルがうまい。見せるべきものがしっかり見える。カメラの視界から外れた人たちの行動も見えるくらい、計算されている。「POV×ゾンビ」のアイデアだけじゃ、この完成度に達しない。素晴らしい。

主人公のアンヘラは、知る権利を振りかざすうるさいキャラナンだけど、命より報道が大事と言うほど馬鹿じゃない。がんがん突っ込んでいったくせに、危なくなると死に物狂いで撤収する。ふつうの女性であり、感情移入しやすい。カメラは、そんな彼女に引っ張られていく。主人公はアンヘラだが、観客はカメラと一体化する。見事だ。

アパートは封鎖されたけど、感染者の数は多くない。冷静に対処すれば切り抜けられただろうが、情報途絶下で理知的な行動は難しいだろう。「もし自分だったら」と考えられることは、良作のホラー映画の証しだ。めちゃくちゃ怖かった。そして、おもしろかった。

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