ウォーキング・デッド シーズン3 (全16話) The Walking Dead Season 3

2012年 海外ドラマ 4ツ星 モンスター:ゾンビ 文明崩壊後

問われるリーダーの資質

あらすじ

 農場を追われたリック一行は刑務所を見つける。5人の囚人がいたが、リックは共存の道を選ぶことができなかった。ローリは出産で命を落とす。
 一方、アンドレアは平和な町「ウッドベリー」で歓待を受ける。しかしリーダーである総督は異常者だった。ミショーンによって左目をえぐられた総督は、リックたちとの全面戦争を決意する。
 多くの犠牲者を出したが、リックたちが勝利。ウッドベリーの住人を刑務所に受け入れ、新たな生活をはじめるのだった。

シーズン3は、リックがもつリーダーの資質にうならされた。
選挙で選ばれたわけでも、みずから宣言したわけでもないが、リックは集団のリーダーになった。しかしリーダーに役得はなく、つらい選択を迫られてばかり。ローリを失ったことで自暴自棄になったり、倫理的に正しいと言えない選択もあったが、メンバーはリックに期待し、その決定に従う。

理想的なリーダーは、困っている人を無視しない。撃たれるまで撃ち返さない。仲間の失敗を許し、チャンスを与える。しかしウォーキング・デッドの世界に、そんな余裕はない。確たる証拠が出るまえに決めなきゃならず、やり直せない。毎度毎度、判断のはやさに驚かされる。

リックより強い人間、賢い人間はいるだろう。しかしリックが決めたことなら、たとえ間違いであっても受け入れられる。そう思える人格こそが、リーダーの資質なのだろう。

リックと対の存在となる総督もおもしろい。視聴者は、総督は悪人だろうと思って見ている。ついに見つかったのは悪行ではなく、狂気の証拠だった。
狂気もまた、人を魅了するのかもしれない。左目にアイパッチを付けた総督はいかんなくカリスマを発揮し、人々を支配し、死地へ送り込んでいく。暴力を恐れたわけではなく、逆らえなくなるようだ。これまた恐ろしい資質だ。

  • メルル ... 気がつけばダリルと大きな溝ができていた。それでも兄に従おうとするダリル。メルルが転化しなかったら、どうなっていただろう。
  • アンドレア ... この世界で生きていくのは無理と思っていたが、まさか退場するとは思わなかった。ほんと、人の生死を予想できないドラマだ。しかし総督が彼女にこだわった理由はわからない。わからなくてもいいけど。
  • カール ... 母の死を乗り越え、急速に成長していく。そこに一抹の不安があるところが、たまらなくよい。
  • ミショーン ... 生存優先でありながら、孤独を避けようとする彼女は、とても共感できるキャラクターだ。アゴと手を切り落としたウォーカーを護衛にするアイデアも素晴らしい。孤高であってほしいと思いつつ、仲間に加わってほしいところ。
  • タイリース ... 彼自身に罪はないが、リーダーによって運命が大きく変わる事例となっている。リーダーを自分で選べなかったところがつらい。

ウォーキング・デッド
テレビドラマ
Telltale Games
Season 2
  • #2-1 All That Remains
  • #2-2 A House Divided
  • #2-3 In Harm's Way
  • #2-4 Amid The Ruins
  • #2-5 No Going Back

ページ先頭へ