レビュー  2013年10月13日  に発表された 

ウォーキング・デッド シーズン4 (全16話)
The Walking Dead (season 4)

4ツ星

今がいかに恵まれているか

シーズン4は刑務所が崩壊するまでの前半(1-8)と、バラバラになったメンバーが「終着駅」を目指す後半(9-16)に分割されて放送された。拠点崩壊をシーズン中盤に置いたのは新鮮。これがフィナーレだと、「またか」と思っただろう。

同じ場所の異なる時間、同じ時間の異なる場所を描くことで、少しずつ全体が見えてくる構成も素晴らしい。一回で複数エピソードを撮影すべく、緻密に計算されているようだ。それから謎の使い方がうまい。たとえば「だれがインフルエンザ感染者を殺したか?」が解決されると、「だれがゾンビにネズミを与えたか?」が提示される。つねに謎に引っ張られるが、同じ謎で引っ張りすぎないのだ。シーズン4の最後で残った謎は、「終着駅とはなにか?」「ベスはどうなった?」「マギーはタラを許せるか?」「博士は事態を収束できるか?」くらい。ちょうどいい引っ張りだ。

リーダーの恐怖

総督は人生をやり直すチャンスを得たが、同じことを繰り返してしまう。おそらくウッドベリーを掌握したときも、同じことをしたのだろう。総督は理解も共存もできない異常者だった。そう見えないところが本当に怖ろしい。
キャンプの人たちも、ぼんやり支配されたわけじゃない。選挙を求めたが、猶予も選択肢もなかった。また、刑務所襲撃にも反対したが、「だれも傷つけない」という言葉に騙された。気がつくと引くに引けなくなり、壊滅した。もし壊滅しなかったら、総督の権力はさらに強固になっていただろう。
どうすれば独裁を止められたか? 総督を射殺しないかぎり無理だろうが、それはコミュニティにおける自分の排除と引き換えだ。本当に手立てがない。

リジーの狂気

リジーは総督と対をなしている。おかしな言動をしてるのに、かわいいから無視された。放っておいたら、人々を魅了する猛毒になっただろう。しかしリックやダリルに、リジーを殺せただろうか? キャロルであればこそ引き金をひけた。キャロルがウッドベリーいれば、総督も排除できたかもしれない。そう思うと、キャロルの重要性が際立つ。

第14話の冒頭で、キャロルの娘(ソフィア)は優しくて、なんの汚れもないから死んだのかと問われる。その結果として、ミカが死ぬ。キャロルは刑務所で子どもたちにナイフの使い方を教えたが、それだけでは足りなかった。

ミショーンの孤独

ミショーンはずいぶん親しめるキャラクターになった。彼女にも平和な日々があり、悲劇があり、それゆえ孤独に放浪していたが、孤独は精神を苛む。もう独りでは生きていけない。ミショーンとカールの交流は、見ていて胸が温かくなった。
散り散りになったメンバーの心に、ハーシェルの影響が残っている。刑務所は崩壊し、野菜も豚も失われたが、無駄ではなかった。

ウォーキング・デッドはおもしろい。シーズン4だが、まったく飽きが来ない。10年、20年後に見返したいドラマである。

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ウォーキング・デッド シーズン4 (全16話)