タイ風味の火鍋
2006年 食べる 食べるスーパーを物色していたら、「火鍋セット」を見つけた。
タイから輸入されたものらしい。
原材料や調理法などはすべて英語で書かれており、日本語の解説はシールで貼ってあった。ブランド名らしき表記もない。
なんともヤバイ雰囲気だが、誘惑に抗しきれず買ってしまった。
鍋に火鍋の素と水を入れて、ひと煮立ち。
豆腐に白菜、豚肉、タケノコ、ネギ、エリンギ、マイタケ、ブナシメジなどの具を順々に加えて煮込む。最後に「ノナカソース」と呼ばれるものを入れると、ぷーんとタイっぽい臭いになった。
「ノナカソース」ってなんだ?
ノナカノースはアジアのハーブを贅沢に使ったヘルシーなチリソースと書いてある。じつにアヤシイ。
食べてみる。
ぶほっ!
辛さにクチがびっくりして、吹いてしまった。
「こ、これはスパイシーを越えたホット、いや、むしろペイン!」
今年1月に食べた、まさにあの味だった。
......が、ヒーヒーうまうま食べていたのは中盤までで、徐々にタイ風味が強くなってきた。まるで惑星がブラックホールの重力に引き寄せられていくかのように、味が変わっていく。これがノナカソースのパワーなのか。
食べ終わってみると、火鍋の味がわからなくなった。
(いま食べたのは火鍋なのだろうか......?)
それとも、酸っぱくないトムヤムクン?
やはりタイ料理は恐ろしい。