HDRと肉眼

2008年 娯楽 カメラ
HDRと肉眼

さらにHDRを試してみた。

青空はつまらん

HDRは天気がよくて、逆光が狙い目と考えていたが、そうでもなかった。
ピーカンの青空だと、露出を変えてまで見るべきもがない。単純にハイキーに調整したものと大差なくなる。作例として、逆光で撮った嫁の写真を載せるつもりだったが、猛烈に反対されたので富津岬の展望台にする。暗いところまでちゃんと見えるけど、おもしろくない。

HDR
※ピーカンの青空には合わない(富津岬:明治百年記念展望台)

逆光に注意

また逆光でフレア(ハレーション)が入ると、HDRで増幅されることがわかった。チューリップをつけるか、角度を変えるか、とにかく余計な光は入れない方がいい。

HDR
※5枚分のフレアが入ってしまった(東京電力富津火力発電所)

3つで十分ですよ

ブラケット枚数を3枚、5枚、7枚と比較してみたが、あまり変化はなかった。枚数が多いとノイズやブレも増えるので、むしろ少ない方がいいみたい。3枚で十分だ。
比較写真を載せようと思ったが、面倒なのでやめる。

HDRは肉眼に近いのか?

上記と同じ場所で、太陽を避けて撮影した。黒飛びしたので、HDRに切り替える。
HDRはオモチャみたいだな。大きさの感覚が狂う。

HDR
※通常撮影(EV0:露出をあげると空が白飛びする)

HDR
※HDR(EV-3から+3を合成)

目で視るリアル vs 脳が感じるリアル

デジタル写真は255:1のコントラストしか扱えず、この範囲(ダイナミックレンジ)越えた部分は「白飛び」や「黒つぶれ」となる。しかし人間の目(肉眼)は、10000:1の差まで識別できる。つまり写真とは、肉眼で視ている映像の一部と言える。
HDRはより広いコントラストを再現するので、肉眼で視た映像により近くなるはずだが......現実はそうでもない。

HDR
※HDR(情報量が多い≠リアル?)

HDR
※通常(情報量が少ない≠リアル?)

上記は木更津の中之島大橋の写真。
現場に立っているときは、橋の色までちゃんと見えた。その場で比べれば、HDRの方がリアルと思うだろう。しかし家に帰ってモニターで見比べると、なんとも微妙。皮肉なことに、人間の脳は情報が欠けている方をリアルと感じるようだ。

夜景はさらに難しい

夜景もチャレンジしてみたが、駄目だった。
長時間露出した時点で、カメラの感度は肉眼を越える。それをHDRで重ねても、よい結果は得られない。つまり、暗い部分を明るくするだけなら、HDRは要らないのだ。
コントラストが高い場所(繁華街?)なら、HDRが活きるかもしれない。

HDR
※夕焼けと波(木更津港)

上記は、肉眼で視ていた映像を越えている。
こうしたイメージの方が、HDRに向いているのかもしれない。

HDRは本当に使いどころが難しい。