100%安全な食べ物はない - サバの生食について

2010年 食べる 食べる
100%安全な食べ物はない - サバの生食について

「ないと思うけど、100%ないとは言えない」

それが友人Tの意見だった。
釣ったサバを生食するとき、寄生虫に当たるかどうかの話だ。

アニキサスは、すべてのサバに寄生しているわけじゃない。たとえ寄生していても、釣ったその場で内臓を処理すれば、身に潜伏することはない。たとえ身に潜伏しても、調理するときに白い糸が見えれば、取り除けばいい。ここまで注意すれば、たいてい当たらない。

しかし100%の保証はない。当たる人は当たるし、当たらない人は当たらない。
アニキサスは過熱か冷凍で死滅するが、酢には耐える。つまり、焼き魚やルイベは大丈夫だが、しめ鯖寿司には危険性がある。ショウガ、ワサビ、ニンニクといった薬味も殺虫効果は期待できない。
日本におけるアニキサス症の発生数は、1年で2,000~3,000人以上。サバを食べた人数を母数とした場合、決して多くはないが、皆無とは言えない。当たるときは当たるのだ

アニキサスに当たると、食後数時間のうちに激しい腹痛と嘔吐に襲われる。吐くのは胃液のみで、下痢も起こらないところが、ふつうの食中毒とのちがい。
アニキサス症が疑われる場合、24時間以内に保健所に届け出る必要がある。寝て治せる病気ではない。

なお、我が家の最寄りの保健所は下記のとおり。そんなに遠くないが、発症したら救急車を喚んでもらえるだろう。

■練馬区保健所
[住所] 〒176-8501 東京都練馬区豊玉北6-12-1
[電話] 03-3993-1111
[URL] https://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/hokenfuku/hokensodan/hikarigaoka.html
 

準備を終え、私と嫁はサバの刺身とシメ鯖寿司を食べた。
......
さいわい、当たらなかったようだ。
ほっ。

100%安全な食べ物はない。企業が加工したものも同じ。ただ問題があったら訴えることはできるが、そんなことに時間を使いたくない。
口に入れるものには、つねに注意を払うべきなのだ。
疲れるけど、その方が食べ物への理解と感謝が深まる。

と、思う。