シャレード (ヘップバーン主演) Charade

1963年 外国映画 5ツ星 サスペンス スパイ 探偵 推理

めちゃくちゃおもしろい

オードリー・ヘップバーンがかわいい。整った顔立ちや、ほっそりした体躯、きらびやかな衣装もいいが、ちょっとした仕草、反応がかわいい。ヘップバーンがびっくりする、疑う、あわてる、笑う、好きになる、積極的になる、怒る、叫ぶ。その一挙手一投足にドキッとしてしまう。こんな女性が目の前にいたら、心がざわめくだろう。笑っていたら泣かせたいし、泣いていたら笑わせたい。こんな風に書くとコケティッシュな少女をイメージするが、そうではない。ヘプバーンは大人の少女。それがいい。

そして物語もおもしろい。1つの異変が起こると、その解釈が示され、ひっくり返される。よくわからない状況が長く続かないから、緊張感が持続する。観客と主人公が、情報の追いかけっこをしている。まず観客が異変に気づき、それを知らない主人公にハラハラする。一般的なサスペンスはこの情報落差が大きくなっていくが、本作はすぐ主人公がキャッチアップして、観客の予想を越えた行動を取る。結果は、観客が先に見るが、やはり主人公も追いつく。このテンポがしだいに早くなり、クライマックスは観客と主人公が一体となってハラハラする。うまい構成だ。

キャラクターは多そうに見えて、意外に少ない。シルヴィの「やけ食いで太らないなんて不公平よ」というセリフが印象的。レジーナ(ヘップバーン)に害をなすかと思ったが、そうでもない。このあたりも意表をついた。
それと切手鑑定士もよかったね! その価値に気づき、購入したにもかかわらず、あっさり返却した。所有するのは危険すぎる、と理解しているのだ。珍しいキャラクターだった。悪人含めて、憎めないキャラクターばかり。痛快だねぇ。

鑑賞したのは2017年。すでにリメイク版『シャレード』(2002)を見ていたが、比較にならないほどおもしろかった。

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