白い恐怖 Spellbound

1945年 外国映画 4ツ星 サスペンス 病院 記憶操作

魅せるなぁ。

あらすじ

 マーチソンが退任し、新院長としてエドワーズ博士(グレゴリー・ペック)が就任する。女医コンスタンス(イングリッド・バーグマン)は恋愛に興味なかったが、エドワーズ博士に一目惚れする。
 エドワーズ博士は縞模様を見ると発作を起こす奇癖があった。コンスタンスは筆跡の違いからエドワーズ博士が別人であると気づく。エドワーズ博士は記憶喪失で、本物の博士を殺して入れ替わったと告白する。所持品にあったイニシャルから、自分は「JB」だろうと推測する。

 入れ替わりが表沙汰になると、「JB」は姿を消した。コンスタンスは「JB」の無実を信じ、追いかけ、いっしょに真相を探すことに。警察もエドワーズ博士殺害容疑者として「JB」とコンスタンスを追う。
 ふたりはコンスタンスの恩師ブルロフの家に身を寄せる。ブルロフの協力によって「JB」は記憶を呼び戻す。彼はスキー場でエドワーズ博士が死ぬのを目撃し、それを自分のせいと思いこんでいたのだ。「JB」の本名はジョン・バランタインだった。

 ところがエドワーズ博士が銃殺されていたことから、ジョンは逮捕される。コンスタンスはマーチソン前所長の軽率な言葉から、彼が後任のエドワーズ博士を殺したと見抜く。マーチソンは自殺。コンスタンスとジョンは新婚旅行に出発するのだった。

 おかしな点はいっぱいあるが、最後までぐいぐい引き込まれた。不気味で危ないのに魅力的なJB。知性を失っていくコンスタンス。彼女自身を信じられなくなることで、先の展開を予想できなくなる。うまい。

 恩師ブルロフの賢さと度胸、やさしさがかっこいい。ミルクを飲みながら気絶するシーンが印象的。そして本作の見所である夢の描写。このまんま夢に見そう。
 ストーリーは大したことないが、おもしろかった。ほんと、魅せてくれる。

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