カリガリ博士 Das Cabinet des Dr. Caligari.

1920年 外国映画 4ツ星 犯罪 狂気 病院

あんがい気づかない異常さ。

フランシスはみずからが体験した恐ろしい出来事を述懐する。
フランシスと友人アランは、村にやってきたカーニバルでカリガリ博士とその下僕・チェザーレの見世物を観た。そこでアランは「今夜死ぬ」と予言され、そのとおり殺されてしまった。またカリガリ博士を邪険に扱った役人も殺されていた。フランシスは思い人ジェーンとともに、カリガリ博士の身辺を調査する。

おもしろかった。もちろん最新の映画に比べればかったるいし、これが最古のホラー映画であるという知識が、権威性を与えていることは否めない。
「古い映画の価値がわかる私って、知的♪」
という酔いもある。でも楽しめたんだからいいじゃない。

回想シーンで描かれる情景(セット)はことごとく歪んでいるが、初視聴時はあんがい気にならない。もちろん歪んでいることは見えているが、意味があると思わなかった。二度目は、おかしいと思わなかった自分がおかしいと思える。不思議なものだ。

チェザーレに目を奪われる。極端なメイク、極端な体格、極端な演技、極端な行動がたまらない。「美女に魅了される怪人」というイメージは、本作が起点かもしれない。チェザーレが気になって、背景の歪みを失念したかもしれない。

最後にジェーンが「我々は王家の血を引く身分ゆえ、恋心だけでは決められませぬ」と答えるところが好き。王冠、メイク、大きく虚ろな瞳が合わさって、「ああ、この子は狂っている」と一発でわかる。と同時に、フランシスの回想が虚構だったことに確信が得られる。よくできてる。

フランシスを拘束した院長は、治療法がわかったと呟いて終幕する。院長の言動に不審な点はないけど、一抹の不安が残る。フランシスは狂っていたが、院長は狂ってないという保証はない。しかし院長がニヤリと笑みを浮かべたり、それっぽいことを言わないところがいい。疑わしくないところが疑わしい。

おもしろかった。

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