生マグロ

2005年 生活 スーパーにて 健康
生マグロ

先日、ふと立ち寄った魚屋さんでマグロの解体ショーをやっていた。解体ショーというとアレだが、ほかにいい呼び名もない。「もうすぐはじまりますよ~! 試食もあります~!」という呼び声に誘われて、店内に入ったらちょうどやっていた。

いわゆる冷凍マグロではなく、オーストラリアから空輸された生マグロだという。
(あれを、飛行機に乗せてきたのか)と感心する。
マイクをもった店員さんが、その価値を小気味よく説明していく。その横で巨大なマグロが、包丁一本で解体されてゆく。
(あんな包丁じゃ、刃が通らないだろう……)
という予想を裏切り、ズバー、ズバーと身が切り取られていく。比べる対象もないが、見事なもんだった。あんな技術、家庭では身に付かない

カマ(頭の部分)がとれた。
店員さんが、宣言する。「1,000円! 1,000円でどうです?」
一瞬、手を挙げそうになったが、思いとどまった。となりにいる妻が、ふるふると首を振ったからだ。調理できないという意味だ。たしかに、どうしようもない。

つづいて試食タイムになった。食べてみる。
(ほほぅ……うまい)
困ったことに、生マグロはうまかった。シャーベットのような冷凍マグロばっかり食べてたから、感動もひとしおだった。一切れ(\700)を買って帰ることにした。
家では芸もなく、刺身にして食べた。うまかった。

別に、なにがどうしたわけでもない。
ただ……食の世界は広いなぁと思った昼下がりだった。