完全犯罪クラブ MURDER BY NUMBERS

2002年 外国映画 2ツ星 サスペンス 刑事・警察 実話に基づく

犯人視点を一人称で描くべきだった

ヒッチコックの『ロープ』(1948)と同じく、「レオポルドとローブの事件」をモチーフにしている。「前途有望な若者による無目的な殺人」という点では同じだが、映画から受ける印象はちぐはぐだ。事件を起こした犯人より、事件を捜査する刑事が目立ってしまっているからだ。

サンドラ・ブロック演じる女刑事は、どうしてこの事件に執着するのだろう? 過去にトラウマがあるようだが、よくわからない。相棒や上司との衝突も、本筋に関係ない。もっと地味な刑事にすべきだった。刑事サイドの事情は、どうでもいいのだから。
犯人の動機や葛藤をもっと描いてほしかった。相棒を信頼していたのか? 計画の立案時はどう考えていたのか? 計画達成後はどんな将来を期待していたのか? そのあたりを掘り下げなかったのは不可解だ。あるいは『ロープ』に似てしまうことを避けたかったのか?

いずれにせよ、半端な作品になってしまった。

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