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[レビュー2006年04月28日に発表された 

ユナイテッド93

United 93

「この機は着陸しない!」

いわゆる「ストーリー」はなく、淡々と状況が進展していくところが恐ろしい。不安定なカメラワークによって、自分も93便に乗っているような感覚になる。後半はイスにしがみつくような気分で見ていた。怖かった。生半可なホラー映画よりずっと怖い体験だった。

93便のパイロットが「ジェット機がWTCに突っ込んだ」と知らされて、「晴れているのに?」と首をひねるシーンが印象的。テロリストがジェット機で建物に突っ込むなんて、あの日まで、あの時刻まで、夢物語ですらなかった。93便は、世界の常識がひっくり返る折り目に挟まれてしまったようだ。

この映画が事実かどうか、プロパガンダなのかと問うのは馬鹿らしい。これは映画なのだから、フィクションに決まってる。現実は、自分の身に起こったことだけだ。覚えておきたいのは、現実はときとしてリアリティを失うってことだ。


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