猫さまのいる暮らし
2009年 哲学 人と動物 日常
マイミクを見渡すと、やたら猫好きが多い。
犬や、ハムスターを飼ってる人もいるけど、それぞれ1名ずつの少数派。なんでこんな猫好きが多いのか? それとも猫好きは、mixi利用者の特徴? 猫を愛する気持ちと、mixiにログインする気持ちには、通じるところがあるのかもしれない。
そして猫好きの多くは、暮らしの中心に猫さまを据えている。
「あー、うちは猫がいるから旅行できないよ」とか、
「猫が待ってるから帰る」とか、
「猫が風邪をひくから冷房をひかえている」とか、
どんだけ猫が大事なんだよって突っ込みたくなる(答えは聞かなくともわかるが)。これじゃ、どっちが飼い主だかわかりゃしない。
そういえば、なべぇるさんが言っていた。
人間に世話してもらって、犬は思う。
「こんなに親切にしてくれるなんて、この人たちは神さまにちがいない」
こうして犬は、より従順になる。人間に世話してもらって、猫は思う。
「こんなに親切にしてくれるなんて、ぼくは神さまにちがいない」
こうして猫は、より奔放になる。
星新一のショートショートにも似たようなのがあったな。猫にとっては、世話してもらっているのではなく、世話させてあげているのかも。ご褒美として、ちょっとだけ触らせてあげる。うちの実家の猫もそうだ。気まぐれに姿を見せて、気まぐれに体を触らせて、気まぐれに去っていく。こっちの都合なんてお構いなし。猫族は、生まれながらに王様なのか? いや、人間が甘やかしているのだ!
子どものころ、猫を飼っている同級生もいたが、こんなに熱狂的じゃなかった。子どもも気まぐれだから、猫に奉仕することはない。ひきかえ大人の猫好きは、愛情に歯止めが効いてないように見えるのだが……気のせいだろうか。
ちなみに私はどうか?
いまのアパートはペットを飼えないが、もし飼うなら犬がいい。しかしペットを飼うことの責任を考えると、あまり気乗りしない。いつか訪れる別れを想像するだけで、つらくなる。
あれこれ悩んでいると、猫に没入している人が羨ましく思えてくる。