炎天下のイヌ
2007年 生活 人と動物 日常朝、塀の影でイヌが暑さをしのいでいた。
今はいいけど、やがて直射日光にさらされる。
首輪につながれたイヌには、どうすることもできない。太陽とアスファルトに挟まれて、毛皮を脱ぐことも叶わず、ただ舌を出してあえぐしかない。
──あまりにもかわいそうだ。
とは思うものの、私にも予定がある。
写真を1枚撮って、通り過ぎてしまった。
◎
日中は、あのイヌのことを繰り返し思い出していた。
灼けたアスファルトに固定されるなんて、拷問に等しい。イヌの飼い主は、なにか対策を考えてくれただろうか? 玄関先に移したり、日陰を作ったり……せめて水くらいは補充されたのか?
◎
太陽が沈んでも、なお暑い。
それでも人間はまだマシだ。エアコンがあるし、冷たい飲み物もある。ハトやネコ、あるいは野良犬なら、木陰に涼を求めることもできる。
しかし飼い犬の運命は、飼い主が握っている。
エアコンの効いた室内にあげて、氷水を飲ませてやれとは言わないが、あまり苦しませないでやってほしい。
地球に住んでるのは人間だけじゃないぜ!
と思ってみたりした。