レビュー  2005年06月24日  に発表された 

ランド・オブ・ザ・デッド
Land of the Dead

4ツ星

世界が崩壊しても、格差はなくならなかった

あらすじ

ゾンビ発生から3年が経過した。ゾンビは依然として脅威だが、性質が解明され、手軽に排除できるようになった。生き残った人々は川の中にある島にバリケードを築いて暮らしていた。
島の内部は、高層ビルに住む富裕層と、スラム街に住む貧民層に分かれていた。危険な暮らしを強いられる貧民層の怒りが高まる中、人々はゾンビの変化に気づいていなかった。

ジョージ・A・ロメロ監督の復帰作。世界中でチープなゾンビ映画が量産される中で、さすが巨匠と唸らせる映画だった。知性や感情をもったゾンビは、「ゾンビらしくない」という拒絶反応もあるようだが、それこそ視野が狭い。ゾンビは死者の定義をひっくり返すもの。モンスターに分類することで、私たちの思考は止まってしまった。本作はふたたび問いかける。人間とモンスターの違いはなにかと。

皮肉なことに、社会を変えるのはやっぱりゾンビだった。貧民層は団結できず、いつまでも同じ日々を過ごしていただろう。人間はもう、自分で自分たちの社会を変えられないのかもしれない。

生き残った人々は、よりよい国を作れるだろうか? 金持ちに権利を要求した彼らは、ゾンビの権利を認めるだろうか? ゾンビと人間が共存できる日が来るのだろうか?
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)の衝撃をふたたび堪能できる。ゾンビをやっつけたり、ゾンビにやっつけられたい映画を見たい人にはおすすめしない。

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