007(23) スカイフォール 007 / Skyfall

2012年 外国映画 3ツ星 #007 ★妄想リメイク スパイ

趣味は「復活」

かっこいいし、おもしろいんだけど、足りない。シルヴァの計略が大ざっぱすぎるのだ。諮問委員会の襲撃が目的なら、わざわざM16本部を移転させたり、囚われの身になる必要はない。あっちこっち逃げまわって、地下鉄の運行まで計算して、そのくせMを取り逃すのもお粗末すぎる。ボンドをおびき出す方法なんていくらもあるのに、屋敷に正面から乗り込むのも不自然。スケールが小さすぎる。

「裏切られたスパイの復讐」というプロットは好き。しかしボンドとシルヴァを分かつものがわからない。Mはボンドを有能な、しかし使い捨ての駒としか見ていない。シルヴァは納得できず、ボンドは納得したということか? ボンドは自分の意志で、国家に忠誠を誓っているのか? スパイである矜持を聞きたかった。まぁ、趣味が「復活(resurrection)」なら関係ないか?

さて、次はどんなボンド映画を見せてくれるのか。楽しみである。

妄想リメイク

 ボンドはついに、敵の首魁であるシルヴァと対面した。
 シルヴァはボンドの前任者(元007)だった。凄腕エージェントとして活躍したが、上層部(M)の判断で見捨てられた。使い捨てにされたシルヴァは、英国政府とMへの復讐を誓った。英国が混乱することで利益を得る連中が、資金援助してくれた。
 シルヴァは、同じく使い捨てにされたボンドに共感を示す。

「私たちは似た者同士だ。手を取り合わないか?」
「興味ない」
「きみに、自分の意志はないのか?
 もっと世界をよくしたいとか、悪くしたいと思わないのか?」
「興味ない」
「では趣味はあるかね?」
「復活」
「......ボンドくんは究極のマゾヒストだな」

 一瞬の隙を突いてボンドはシルヴァを拘束。衰えたボンドには不可能な動きに、シルヴァは面食らった。

「あのテスト結果はうそだ。Mと結託して偽情報を流したんだ。おまえを油断させるために」
「まだ使える道具だったのか。よかったね」

 シルヴァはM16新本部に移送された。Qがシルヴァのパソコンにハッキングすると、トラップが発動してM16のセキュリティシステムが乗っ取られた。M16のデータベースが流出しそうになるが、寸前でQが食い止める。シルヴァは逃走し、Mもさらわれた。
 視察に訪れていた政府高官たちは、熾烈なスパイの戦いに戦慄する。さいわい、データベースを開く「鍵(インデックス)」は奪われなかった。一週間、インデックスを守りきればシルヴァの計画は水泡に帰す。M救出はリスクが高い。Mを見捨てることが決定されるまえに、ボンドはインデックスを盗んで消えてしまった。

 シルヴァのような敵を相手にしては、インデックスをどこに隠しても守りきれない。ボンドが個人的に行動することで、機先を制することができる。意図を察したQとマロリーは協力した。

 スコットランドにある「スカイフォール」で、ボンドは敵を待ち受けた。激しい銃撃戦の末、ボンドはシルヴァを仕留める。インデックスを守り、奪われたHDDも回収したが、Mは凶弾に倒れた。Mはボンドに感謝しながら息を引き取った。

 後日、マロリーが後任のMとなり、M16は再スタートする。ふと、イヴがつぶやく。

「ねぇ、気づいてる? 一連の攻撃でMI6不要論は払拭されたわ。
 シルヴァを支援した組織も調べなくちゃいけないし、そのためには00要員が不可欠。
 あるいはこれは、シルヴァの恩返しだったのかも。
 いいえ、ひょっとしたらMも...」
「興味ない」

 ボンドは新しいMに呼び出される。

「さて007、やるべきことは多い 仕事に戻れるか?」
「喜んで、M」

(おわり)

007シリーズ
ショーン・コネリー
ショーン・コネリー
ショーン・コネリー
ジョージ・レーゼンビー
ロジャー・ムーア
ロジャー・ムーア
ティモシー・ダルトン
ティモシー・ダルトン
ピアース・ブロスナン
ピアース・ブロスナン
ダニエル・クレイグ
ダニエル・クレイグ

関連エントリー

2012年 外国映画 3ツ星 #007 ★妄想リメイク スパイ
007(24) スペクター

007(24) スペクター

Spectre
2015年の外国映画 ★3

007よ、どこへ行く... 新生ボンドシリーズの完結編! 44年ぶりにスペクターが登場し、シリーズ最高額の予算で撮った148分もの超大作だから、素晴らしいと絶賛したい! 実際、素晴 (...)

007(07) ダイヤモンドは永遠に

007(07) ダイヤモンドは永遠に

007 Diamonds Are Forever
1971年の外国映画 ★3

ボンドは無敵のヒーローに あらすじ 200万ポンド相当のダイヤモンドが行方不明になった。ボンドは運び屋に変装して、アメリカの密輸シンジケートに潜入する。監視役だったティファニーを籠 (...)

007(06) 女王陛下の007

007(06) 女王陛下の007

007 On Her Majesty's Secret Service
1969年の外国映画 ★4

「世界はふたりだけのものなんだ」 あらすじ ボンドはトレーシーという女性と知り合い、興味を抱く。彼女は犯罪組織のボスであるドラコの一人娘だったが、ドラゴはボンドに娘を託そうとする。 (...)

007(04) サンダーボール作戦

007(04) サンダーボール作戦

007 Thunderball
1965年の外国映画 ★3

シリアスでも笑える王道スパイアクション 私が産まれる6年前の映画だが、ちゃんと見たのは43歳になってから。最新のスタイリッシュ映像に慣れた目で見ると、当時のアクションは固定カメラの (...)

007(22) 慰めの報酬

007(22) 慰めの報酬

007(22) Quantum of Solace
2008年の外国映画 ★3

アクションと文学は両立できるか とても難しい作品だった。監督はボンドの内面を、セリフではなく表情で語らせようとした。その試みはおおむね成功したが、アクションを期待した客は面食らった (...)

ネバーセイ・ネバーアゲイン

ネバーセイ・ネバーアゲイン

Never Say Never Again
1983年の外国映画 ★3

老兵は死なず、ただでは消えず 007シリーズの番外編で、『007 オクトパシー』の4ヶ月後に封切られた。本作だけ見ればコミカルな印象を受けるが、ロジャー・ムーアのボンドもマンネリ化 (...)

ページ先頭へ