Bao (7分) Bao

2018年 外国映画 3ツ星 コメディ 短編映画 @ピクサー

食べた!

ストーリー

主人公は中年女性。ある日、手作りの小籠包に命が宿った。女性は小籠包を育てるが、やがて反抗的になり、恋人を連れて出ていこうとした。女性は小籠包を食べてしまう。
気がつくと、小籠包の出来事は夢だった。疎遠だった息子と仲直りして、家族で小籠包を作るのだった。

ピクサー・アニメーション・スタジオ、短編作品50作目。ピクサー初の食べ物を主人公にした作品で、監督のドミー・シーは初の女性・アジア人監督。ジンジャーブレッドマンの中国版として制作された。「Bao」は中国語で小籠包の「包」を指すが、同時に「宝」の意味ももつ。

本作のキモは、女性が小籠包(子ども/宝)を食べてしまうところ。ふつうは「殺す」と解釈するが、「自分の子どもを食べる」となると意味がちがってくる。女性は食べてしまったことを悔やむが、母親としての業は感じられない。すごい一歩を踏み出したのに、なんか物足りない。

ラストシーンに金髪美女がいる。小籠包ではなく、息子の恋人だったか。女性からすると、息子を奪い取った相手になるが、そのへんの屈託もない。女性の柔和な表情と、母親としての業を感じさせる展開がこわかったが、すなおな落着だった。

「SPARKSHORTS誕生の物語」で、誕生日シンドロームのアフトン・コービン監督が、BAOの監督に相談していた。「食べる」という展開は大きな転機だったようだ。「食べる」は、最初から想定された展開ではなかったのか。ここがアイデアの出発点なら、まったくちがった物語になったかもしれない。

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