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[レビュー2014年10月15日に発表された 

相棒 season13 (全19話)

Aibou Season 13

ひどかった

シーズンの中盤あたりで「成宮卒業」と宣伝して、視聴率を稼ぐ。そのくせ劇中に終局をほのめかす伏線はない。いつものエピソードがつづき、いきなり最悪の最終回は、カイトの3年間だけでなく、「相棒」シリーズの13年まで台無しにしてしまった。

カイトは右京がはじめて選んだ相棒である。なのに教え導く様子はなく、ただの助手として使い倒した。カイトもそれに甘んじて、自分なりの正義や能力を示すことはなかった。右京の推理をしたり顔で話すカイトは、見ていて悲しかった。
セオリーに従えば、カイトは右京の後継者になるべきだ。右京と対立し、否定し、挑戦し、挫折し、奮起し、やがて乗り越えていく。「あんたはもう必要ない(引退しても大丈夫)」と引導を渡すためアサインされたはず。なのにこの終わり方はありえない。なんのための3年間──なんのための13年だったのか。

たとえば車の運転だ。右京は決してカイトにハンドルを任せなかった。俳優の成宮に運転できない理由があるとしても、当然、こうしたヤリトリを含めるべきだろう。

「右京さん、おれが運転しましょうか?」
「ぼくの車ですから、ぼくが運転します」
「......おれの運転じゃ危なっかしいですか?」
「ええ、そうですね」
「む」

右京とカイトの関係には、なんの緊張感もない。ただの上下関係。相棒2名に魅力がないから、事件解決の興奮もない。いつもどおり右京が犯人を言い当てるだけ。その繰り返し。つまらない。とりあえず各話の感想を書いておく。

  1. ファントム・アサシン ... 被害者と加害者が連鎖するトリックは秀逸。しかし仲間由紀恵の紹介に引っ張られ、完成度が落ちてしまった。
  2. 14歳 ... なぜ彼が物語の中心にいないのか? 親子の確執もあっさり解消され、拍子抜けだった。
  3. 許されざる者 ... 事件の余波を考えると、1時間じゃ足りない。
  4. 第三の女 ... これまた余波が気になる。善人が辞めて、悪人が残るんじゃ、苦労の連鎖が終わらない。
  5. 最期の告白 ... ツカミはいいが、そこが見せ場じゃないのは残念。
  6. ママ友 ... いくらなんでも安直すぎる。こんなことで殺意が生まれるなら、そのギャップを描くべき。
  7. 死命 ... こんなことでしょげるなら、カイトは辞めた方がいい。最終回を見たあとじゃ、さらに馬鹿馬鹿しくなる。
  8. 幸運の行方 ... 犯人が凶悪すぎて萎えた。脇道にもドラマがない。
  9. サイドストーリー ... 調査に来た右京にも悪口を吹聴するのは不可解。やかましい婆さんがやかましい婆さんでしかなかった。
  10. 元日スペシャル ストレイシープ ... だんだんスケールが小さくなるのはわびしい。
  11. 米沢守、最後の挨拶 ... 最後の説教は余計だった。
  12. 学び舎 ... これまた犯行が突発的で萎える。
  13. 人生最良の日 ... 中年女性の悲哀という狙い目はわかるが、まだ弱い。物足りない。
  14. アザミ ... 右京の関わり方が不自然。
  15. 鮎川教授最後の授業 ... 写真を添付すればいいのに。
  16. 鮎川教授最後の授業・解決篇 ... 真相もがっかりだが、右京の説教もがっかり。
  17. 妹よ ... 陣川君はもういいよ。
  18. 苦い水 ... 片山議員の顔見世としては遅すぎる。しかも甘ったるい。
  19. ダークナイト ... すでに逮捕された犯罪者を逃走させ、私刑に処すことに、いかなる正義があるのか? 友だちを守るための私刑だったのに、自分への容疑を逸らすため友だちを巻き込む神経も理解できない。演出が雑で、見るに耐えない最終回だった。

私の中で、「相棒」シリーズの価値は地に落ちた。ほんと、しょーもない。

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