レビュー  2006年02月25日  に発表された 

インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~(三池崇史) / マスターズ・オブ・ホラー (S1-13)
Imprint / Masters of Horror

3ツ星

外見と中身が同じだった

あらすじ

明治初期の日本。アメリカ人の記者クリスは結婚を誓い合った小桃を探すため、遊郭の集まる島へ足を踏み入れた。そこでクリスは、顔の右側がつり上がった不気味な遊女と出会う。彼女によると、小桃はつい先日、首を吊って死んだと言う。
信じられないクリスが追求すると、遊女は小桃を殺したのは自分だと告白した。畸形として蔑まれてきた彼女にとって、小桃のやさしさは苦痛だったのだ。だから小桃を罠にはめたというが、クリスはまだ隠された真実があると睨んでいた。

13人のホラー映画の巨匠による共同プロジェクト『マスターズ・オブ・ホラー』の13本目。原作は岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』。岡山地方の方言で「とても怖い」という意味。原作者も「針を刺す女」として出演している。セリフはないが、強烈な存在感だった。唯一の日本人監督による作品だが、過激すぎてテレビ放送されなかったらしい。ほかの作品も過激だが、本作は毛並みがちがう。ゴア表現に慣れたアメリカ人にも耐え難かったのか。痛々しいのが苦手な人は見ない方がいい。

前半は退屈で、古典的な怪談だろうと思っていた。しかし中盤から様相は一変し、陰鬱な異次元に引きずり込まれる。女郎、畸形、リンチ、子捨て、近親相姦など、日本を誤解されそうな闇ばかり。フィクションの境界が伝わっているか心配だ。

人間には外見と中身は反比例すると考えるクセがある。美女は冷淡で、醜女は気立てがいいとか。それを本作は見事にひっくり返している。顔が歪んだ女郎は、心も歪んでいた。それは産まれたときから決まっていたことで、どうにもならない。妖怪は清らかなものをすべて壊してしまった。
ゴア表現のインパクトが強いが、物語の完成度も高い。『マスターズ・オブ・ホラー』においても異彩を放つ1本だった。

 Googleで「インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~」を検索する
 Wikipediaで「インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~」を検索する
 IMDBで「Imprint / Masters of Horror」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B000NO1YKS
思考回廊 レビュー
インプリント ~ぼっけえ、きょうてえ~(三池崇史) / マスターズ・オブ・ホラー (S1-13)