レビュー  2006年12月08日  に発表された 

男が女を殺すとき(ジョー・ダンテ) / マスターズ・オブ・ホラー (S2-20)
The Screwfly Solution / Masters of Horror

5ツ星

恐ろしく冴えたやり方

あらすじ

米国南部で暴力事件が続発して、1000人を超える死者が出た。被害者はすべて女性、加害者はすべて男性だった。加害者が「神の声が聞こえた」と証言したためカルトの犯罪と思われたが、被害は地球規模で拡大していく。学者たちは、感染症により男性の性衝動が攻撃性に転化していることに気づく。

『マスターズ・オブ・ホラー』第2期、邦題『13 thirteen』の7本目。通算20本目。原作はジェイムズ・ティプトリーJr.、この人の経歴にも驚いた。

まさかのSFで、おもしろかった。人類滅亡というスケールの大きな話を、最小限の映像で表現している。1つの事例で、ほかは想像できる。見事だ。
都市では絶叫がこだまし、おびただしい死体が折り重なっているだろう。それらは生ゴミのように処理され、社会活動が継続しているのだろう。見なくてもわかる。この感染症の恐ろしいところは、問題に気づけないことだ。主人公は機内の出来事からヒントを得たが、感染後は抵抗できなかった。問題に立ち向かえるのは去勢した男性のみだが、それでは子孫を残せない。よくできてる。これまで数多くの滅亡を見てきたが、本作がもっとも冴えたやり方と言える。

冒頭のメッセージで「ラセンウジバエの不妊虫放飼」のことを知った。こんな方法があったのか。害虫駆除が人間だけに許された特権であるはずがない。こういう価値観の逆転はSFの真骨頂だね。


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思考回廊 レビュー
男が女を殺すとき(ジョー・ダンテ) / マスターズ・オブ・ホラー (S2-20)