アイアンマン3 Iron Man Three

2013年 外国映画 3ツ星 ヒーロー ロボット:自律型 @マーベル

なぜアーマーを壊す?

あらすじ(ネタバレ)

『アベンジャーズ』(2012)の戦いから一年。不眠症になったトニーはアーマー開発に没頭していた。そのころアメリカはテロリスト組織「テン・リングス」の脅威にさらされていた。トニーも自宅を襲撃され、対決は避けられなくなる。
トニーは「テン・リングス」の首魁マンダリンの所在を突き止めるが、マンダリンは宣伝用のキャラクターでしかなく、裏で糸を引いていたのは武器商人であり科学者のキリアンだった。トニーに恨みがあるキリアンは、恋人ポッツを誘拐する。
クリスマスの夜、トニーとローズ大佐は巨大タンカーに潜入し、ポッツと大統領を救出する。しかし超能力戦士になったキリアンの反撃を受け、ポッツを死なせてしまう。トニーは次々にアーマーを犠牲にして、キリアンを倒す。ポッツも超能力によって生還を果たした。
トニーは残っていた全アーマーを自爆させ、胸からアーク・リアクターを除去する。
「アーマーは僕にとって繭だった。それを破って僕は生まれ変わった」
ふつうの人間になったトニーは、ポッツと新たな人生を歩むと決意するのだった。

三部作の完結編。トニーのアーマー依存症克服がテーマとなっているが、「アーマーがなくても戦える」「アーマーを道具として使い潰す」のは理解できるが、「残ったアーマーを全部破棄する」「ヒーローを辞める」という結論は飛躍している。べつにアーマー依存症だからヒーローをやっていたわけではあるまい。もちろん、アーマーがなくてもヒーローとして活躍することはできるだろうが、アーマーがない方が都合がいいってことはないだろう。まるでオタクが「オタク辞めた宣言」をして、貴重なコレクションを全部壊すような幼稚さがある。

トニーは喜々としてアーマーを開発していたし、それらは大いに役立った。アーマーがなくても知恵と勇気で戦えた。アーマー依存症で困っているようには見えない。さらにはヒーローであることに疲れたり、ふつうの人生を渇望している様子もない。なのに突然「ヒーロー辞めた宣言」するから、かえって心配になる。
トニーはアイアンマンであることを辞めたが、『アベンジャーズ』は継続するようだ。なのでエンドロール後に彼の帰還が予告されるわけだが、これもドラマの価値を損ねているよね。

本作の敵となるキリアンは、トニーと同じ科学者であり、武器商人だ。トニーと対をなす存在と言える。完結編にふさわしい敵だが、超能力で攻撃ってどうなのさ。しかも部下も同じ能力をもってるから、キリアン特有の強さがない。自分は安全なところに隠れ、ロボット軍団をさしむける方が、よっぽどいい対比になっただろう。

映像は迫力満点だった。戦闘シーンは繰り返し見たくなる。スーツの進化も素晴らしい。ドラマだけ物足りない。もったいない。

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