忌まわしき花嫁 / SHERLOCK シャーロック SHERLOCK The Abominable Bride

2016年 外国映画 3ツ星 #シャーロック・ホームズ

シャーロキアンのための特別編

あらすじ

19世紀末、戦争から帰ったワトソンはホームズと共同生活をはじめ、伝記作家となった。
ある日、ベールをかぶったメアリーが訪ねてきて冒険にかまける夫に文句を言う。
そこへレストレード警部がやってきて、自殺した花嫁が複数の男に復讐する事件を話す。
モルグで死体を検証。モリーの苦労。捜査は保留。
後日、のろまなメイドに手を焼くワトソン。メアリーは暗躍中。
ディオゲネス・クラブでマイクロフトと面会。勝てない敵とは?
サー・ユースタスの屋敷で張り込み。護衛に失敗。
ふたたびディオゲネス・クラブ。会話が抽象的に。
マインドパレスでモリアーティ教授と再会。じつはジム。
気がつくと現代の飛行機内。これまでの物語は麻薬がもたらす幻覚だった。
ふたたび19世紀。メアリーの導きで敵の本拠地で真相把握。なぜかモリアーティが。
現代へ。リコレッティ夫人の墓を暴くが、これも幻覚。
気がつくとライヘンバッハの滝。モリアーティを落とし、自分も飛び込む。
現代に復帰。まだ飛行機の中。ヒントを掴んで捜査を再開。

 なぜヴィクトリア朝時代のロンドンに舞台を移すのか? そこがずっと気がかりだった。インタビューによると、主演2人のスケジュールが過密で、特別編1本しか撮影できなかったらしいが、まぁ、これはシャーロキアンのための特別編だよね。正典(カノン)を知っているほど楽しめるが、大多数の視聴者は置いてけぼり。よくこんな企画を押し通したもんだ。

 しかし「おもしろかった?」と問われれると、答えに窮する。夢オチを多重に使っているため、なに1つ確かなことがない。意味不明なシーン、演出も多く、すっきりしない。この特別編で『Sherlock』と正典を連結できたとも言えるが、裏を返せば本作はフィクションなのだと思い知らされ、興ざめした。おまけに掴んだヒントはシーズン4へ持ち越し。うまいと言えばうまいが、ずるいと言えばずるい。

 おもしろかったけど、もやもやする特別編だった。

JW:いいか、きみのためなら道化も演じる!
きみを賢く見せるために!
うすら馬鹿みたいに後ろにくっついててもいい!
でも! たのむから!
きみには! 高みとどまっていてほしい!
SH:なぜ?
JW:みんなに必要だから!
SH:きみの馬鹿げた小説のせいで?
JW:そうだ! 私の馬鹿げた小説のせいで!

シャーロック・ホームズ
-1970s
1980s
新シャーロック・ホームズ
2000s
2010s
ハリウッド版
BBC SHERLOCK
ゆっくり文庫

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