最後の誓い / SHERLOCK シャーロック(S3E3) SHERLOCK - His Last Vow

2014年 海外ドラマ 4ツ星 #シャーロック・ホームズ

約束を実行する

初見の感想

マグヌセン(声:森田順平):あまりに強烈で、スマートでない決着に釈然としない。原作通りではあるけれど、『Sherlock』でそれは言い訳にならない。アップルドアに恐喝の物的証拠はないとしても、マグヌセンがそれを教えるはずがない。死後に発動する安全装置もないなら、交通事故やアップルドアの爆撃で解決できちゃうじゃないか。

メアリーの正体:唐突だが、ジョンが「ぼくが知り合う人間はみんな変質者なんだ!」と叫び、シャーロックが肯定したことで納得できた。ジョンは危険な人物や状況に、異常に惹かれる。そして変質者たちはジョンを愛する。ものすごく納得できる推理だ。メアリーの本名「A.G.RA」がアグラの財宝を暗示しているのも見事。

マインドパレス:3秒でアドバイスを受けるのはいいが、モリアーティは蛇足。モリアーティを出すなら、マイクロフトは出すべきじゃない。異常者として振る舞うのも拍子抜け。このあたりは『忌まわしき早嫁』で少し改善される。それから「赤ひげ」が飼い犬だったことが判明するが、やはり因縁はわからない。情報が多くて、足りない。

マインドパレス
※マインドパレスでモリアーティに痛みの堪え方を教わる

Miss Me?:モリアーティの復活が告知され、そのためシャーロックが呼び戻される。そうした転換が必要なのはわかるが、これまた唐突。モリアーティは大好きだけど、ちょくちょく顔をだすのは感心しない。

ウィギンス:途中まで、なんのキャラクターかわからなかった。モチーフがわかっても、シャーロックに匹敵する知性の持ち主に翻案した意図がわからない。ジョン、モリー、アンダーソンとの差別化か? 今回は顔見世として、今後、どのように組み込むつもりだろう?

マイクロフト:兄は弟を溺愛しているようだ。それはいいが、221Bに押しかけ麻薬を探すのは理解しがたい。さらにマグヌセンへの対応も不自然さが目立つ。これはつまり、自分が対立すれば弟を人質にされると恐れたからかもしれないが、弟がそれで引き下がるはずもない。マグヌセンと対立すれば、これはもう息の根を止めるしかない。だったらもうちょい協力してくれていいはず。アップルドアでの決着も兄弟の共演とみるのは難しい。まぁ、シャーロックから「マグヌセン」の名を聞いて、アンダーソンらを脅すのはよかった。

MH:いまの名前......聞こえたかもしれないが......聞き間違いだ。
もしこの部屋で、いまの名前を聞いたと漏らしたら、我が国の国家安全保証機関の名に賭けて、諸君を拘束するのに足る証拠が、諸君のパソコンから見つかることになるだろう。
なにも言わず、黙って出ていってくれたまえ。

何度か見た感想

『三の兆候』でシャーロックは、ワトソン夫妻(と産まれてくる子ども)を守ると誓った。本作『最後の誓い』のシャーロックは、それを実行しただけ。法律も、正義も、レディ・スモールウッドの依頼も、攻撃や侮辱も関係ない。ワトソン夫妻を守るためには、マグヌセンを殺すしかなかったのだ。

なんだけど、ドラマとしては避けることもできた。マグヌセンが射殺可能とわかれば、シャーロックが引き金をひく前に狙撃すればいい。また冷静に考えても、アップルドアに物的証拠があった時点で手詰まりとなる。シャーロックが逮捕や破滅を覚悟していても、目的を果たさなきゃ意味がない。どう考えても、下調べが足りない。

アップルドアに向かうときのシャーロックとジョンの会話はよかったね。

SH:銃は持ってきた?
JW:なんできみの実家に来るのに銃を持ってくる必要がある?
SH:コートの中?
JW:そうだ。

おもしろいけど、メアリーが依頼人席に座ってからの流れは飛躍が多かった。

シャーロック・ホームズ
-1970s
1980s
新シャーロック・ホームズ
2000s
2010s
ハリウッド版
BBC SHERLOCK
ゆっくり文庫

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