[Edit]
[レビュー2000年03月11日に発表された 

ドラえもん(21) のび太の太陽王伝説

Doraemon: Nobita and the Legend of the Sun King

異国の風習にクチを挟むな

ドラえもん誕生30周年記念作品だが、目新しさはない。むしろ、ありがち路線を徹底した印象を受ける。藤子・F・不二雄先生が亡くなったことを痛感させられる。ただしウィーン少年合唱団が歌う『ドラえもんのうた』は新鮮だった。ここだけ記念作品にふさわしい。

舞台となるマヤナ国は、メキシコのマヤ文明をベースにしているが、西洋風の身分関係があって、「スキあり!」と一本とる風習があって、サッカーに興じる習慣がある。これほど文化がごちゃ混ぜになった国といえば、日本しか思いつかない。
なので現代日本の価値観が通じるだろうと思うのはまちがいだ。そもそも異国の風習に、気やすく口を挟むべきじゃない。現代日本の価値観が最上のものと思い込むのは危険だ。まぁ、子どもの純粋さが文化の壁を越えることはあるから、一概に駄目とは言わないが、安直に描いてほしくないところだ。

ストーリーは『王子と乞食』を題材にしている。しかし、のび太は身分制度を理解していないため、いつものように周囲と接してしまう。これも軽率きわまりない。同じ日本の大富豪と入れ替わるのなら、テーマが強調されただろうに。毅然としたのび太(=ティオ)はよかった。
例によって劇場版のジャイアンはかっこいい。物怖じせず武道を習ったり、敵が出した条件を「そんなの聞いてない」と無視したり、腕っ節以上に精神力がたのもしい。

まとめると、安直な映画だった。個人的な感想だが、あんまり子どもに見せたくない。世界を誤解してしまいそうだ。


Share

Next