心霊写真部 壱限目 Spirit Photography Club 1

2010年 日本映画 4ツ星 ホラー:ショート 学校 幽霊 探偵 殺人鬼

言うなればライトホラー

あらすじ

平凡な女子高生・二宮佳夕は、ふとしたきっかけで心霊写真部に入部する。サイトに投稿される心霊写真の分析がおもな活動だ。脳天気なリリと冷静な部長牧村は、佳夕を歓迎し、さまざまな調査に引っ張り回す。佳夕は心霊現象を信じていないが、霊能力があるとしか思えない閃きを発揮し、心霊写真に秘められた物語を解き明かす。
佳夕はときおり見知らぬ美少女から、心霊現象についての警告や助言を受ける。彼女は何者か? そして町で話題になっている「マスク殺人鬼」の正体とは?

  1. 廃墟できもだめし ... 基本設定の紹介。よくある心霊現象で、さしたる驚きもない。「マスク殺人鬼」がシリーズの縦糸になるとは思わなかった。
  2. カラオケボックスの顔 ... 心霊写真が撮影された現場に行って調査するのか。心霊がカメラの顔認証に引っかかるのは驚き。燃え上がって裏世界が見えるような演出が冴える。
  3. 心霊プリクラ ... アラが目立つから、死体をしっかり見せるべきじゃない。プリクラで心霊写真が撮れちゃうのか。解決したような、してないようなラストも悪くない。

おもしろかった! 安っぽいパッケージでだいぶ損している。B級オムニバスホラーは掃いて捨てるほどあるけど、基本設定を共有する連作ものは珍しい。ましてや心霊現象にスジが通って、一定の解決を見るなんて希有なことだ。このままテレビシリーズ化しても遜色ない出来映えだった。

ライトノベルのホラー版(ライトホラー)と言うべきか。心霊現象の規模は小さく、恐怖のインパクトも強くないが、その分、安心して楽しめる。「安心」と「恐怖」は両立できるのだ。

内容について述べよう。ヒロインを演じる中村静香は、人混みでは目立たないが、たぶん向き合ったらドキドキしちゃうタイプ。自然にかわいい。「自覚のない霊能力者」という設定が合ってる。特別な人って、こんなものかもしれない。
リリは甲高い声が頭に響くが、物語を動かす役目があるから仕方ない。部長はあまり個性がない。この2人は佳夕を現場に引っ張り出すだけで、あとは麻痺するだけ。かなり怖い体験なのに、ぜんぜん懲りない。そこが妙におかしい。謎の美少女は、あからさまに謎の美少女なんだけど、なかなか雰囲気がよろしい。

演出もいいね。心霊写真の謎が解き明かされるときのフラッシュバックは、ミステリーを見ているような爽快感がある。一点豪華な恐怖シーンが用意されているが、予算の問題か、いささか外してる。惜しい。2作目も見てみよう。

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