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[レビュー1997年07月12日に発表された 

もののけ姫

Princess Mononoke

宮崎駿の新たなる挑戦

自然と文明の対立はありがちだが、自然を善と崇めず、文明を悪と卑下しないのは新鮮だ。しかし結果として、カタルシスのない映画になってしまった。ラストはなにか希望があるように見えるが、実際はなにも変わらない。対立は残っているし、世界の神秘は確実に失われている。それでも人間に生きる価値があるのか、答えは出ない。宮崎監督は出口のない迷路──現実に迷い込んでしまったようだ。

古代日本をモチーフにした世界観は素晴らしい。映像の迫力も群を抜いている。これで勧善懲悪だったら、さぞや興奮できただろう。もちろん、それじゃ従来作品の焼き直しでしかない。だけど勧善懲悪の方がいい。そんな浅薄な考えだから、人類は救われないんだろうな。


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